災害の報道で、時折こうした表現を目にします。
「〇年が経過した現在も、行方不明者は〇人」
この一文には、
非常に重く、そして厳しい現実が含まれています。
■① 数年経っても行方不明のままという意味
災害発生から数年が経過しても行方不明のままの人は、
・身元が確認できていない
・遺体が発見されていない
・生存確認が一度も取れていない
という状態が続いていることを意味します。
残念ながら、
統計的・現実的には生存の可能性は極めて低いと考えられます。
■② なぜ「死亡」と断定されないのか
それでも公式には「死亡」とは表現されず、
「行方不明者」として扱われ続けます。
理由は明確です。
・遺体が確認されていない
・法的な死亡認定には手続きが必要
・家族の意思や心情への配慮
災害は単なる数字の問題ではなく、
人の人生と家族の物語だからです。
■③ 行方不明が長期化するほど家族は苦しむ
数年にわたる行方不明は、
家族にとって「終わらない災害」になります。
・希望を捨てきれない
・しかし前にも進めない
・日常生活に戻れない
これは「災害関連死」とは別の、
心の災害とも言えます。
■④ 東日本大震災が示した現実
東日本大震災では、
発生から10年以上経っても行方不明者が存在します。
津波に流された場合、
・遺体が発見されない
・海底や土砂に埋もれる
・長期間で損壊する
といった現実があり、
確認できないまま年月が過ぎるケースが少なくありません。
■⑤ 行方不明者が残る社会的影響
行方不明者が残り続けることは、
・相続や戸籍の問題
・保険や補償の手続き
・住宅や土地の処分
など、生活の再建にも大きな影響を与えます。
災害は、
亡くなった瞬間だけで終わらないのです。
■⑥ 防災の視点で見た最大の教訓
この現実が私たちに突きつける教訓は明確です。
「行方不明になる状況を、いかに減らすか」
そのためには、
・早期避難
・津波・土砂危険区域からの即時離脱
・家族間の安否確認ルール
が極めて重要になります。
■⑦ 自律型避難が果たす役割
自律型避難は、
命を守る行動であると同時に、
・行方不明者を生まない
・家族を不安にさせない
・社会の混乱を減らす
という意味も持ちます。
「逃げる判断を自分で持つこと」は、
未来に苦しむ人を減らす行為でもあります。
■まとめ|数字の裏にある現実を忘れない
数年経った行方不明者とは、
・統計上は生存の可能性が極めて低い
・しかし、家族にとっては今も「生きている存在」
この矛盾を抱えた存在です。
だからこそ防災は、
「死者数を減らす」だけで終わってはいけません。
・行方不明者を生まない
・不安な時間を残さない
・家族の人生を守る
そこまで含めて、
本当の防災・減災なのです。

コメント