【防災士が解説】防災×首都直下地震|東京の木造密集地域が抱える最大の弱点

首都直下地震の発生時、東京で最も甚大な被害が想定されるのは、木造住宅が密集する地域です。
現場経験からも、こうした「木密地域」は避難や救助活動の障害となりやすく、被害拡大の大きな要因となることを痛感します。


■① 東京の被害想定と木密地域の位置付け

政府の中央防災会議による最新の首都直下地震の被害想定では、M7級地震で最大約1万8千人が死亡すると推定され、そのうち約1万2千人は火災によるものとされています。
特に火災危険性が高い木造住宅密集地域(木密地域)が、東京の最大の弱点として指摘されています。


■② 木密地域の課題

東京のJR山手線外周部を中心に、道幅が狭く緊急車両の通行や避難が困難な地域が広がっています。
このため、災害時には人的・物的被害が集中しやすく、早期の火災抑制や避難計画の整備が不可欠です。


■③ 不燃化・整備地域の取り組み

都は「防災都市づくり推進計画」に基づき、延焼を遮断する道路の整備や老朽建物の除却を進めています。
平成22年には約1万6千ヘクタールあった木密地域は、現在7100ヘクタールまで減少しました。
ただし、23区の約1割が依然として木密地域として残っており、令和12年度までに不燃領域率を70%まで引き上げる目標があります。


■④ 地域ごとの進捗と課題

墨田区北部の京島周辺地区などは、早期に防災性向上を図る重点整備地域に指定されています。
住民協議会の努力により、不燃領域率は平成23年の50%から令和5年には64%まで向上しましたが、高齢化や建て替え費用の問題が進捗の妨げとなっています。


■⑤ 高齢化がもたらす影響

災害時に重要な不燃化対策は、住民の自宅建て替え意欲や経済状況に大きく左右されます。
高齢者が終の棲家として自宅を保持する場合、整備や建て替えが進まないことがあり、局所的な不燃化の遅れが残ることになります。


■⑥ 不燃化の重要性と地域防災

木密地域では、火災が発生すると延焼速度が速く、多くの命や建物が危険にさらされます。
そのため、局所的にでも不燃化を進める取り組みが、地域防災の効果を左右します。
現場の経験上、住民と自治体が協力して整備を行う地域ほど、災害時の被害は抑えられます。


■まとめ|木密地域の整備は命を守る防災

首都直下地震において、木造住宅密集地域は火災被害の最大のリスクです。
不燃化や道路整備、老朽建物の除却などの対策を継続し、住民の協力を得ながら整備を進めることが、防災上不可欠です。

結論:
東京の木密地域は首都直下地震で最大の弱点であり、整備・不燃化の推進が命を守る鍵となる。

防災士として現場を見てきた経験から、局所的な不燃化の取り組みと住民参加の連携が、災害時の被害軽減に直結することを強調しておきます。

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