【防災士が解説】高齢者避難「暑さ」で眠れない夜の対処法|熱中症を防ぎながら睡眠を確保する現実解

防災

はじめに

避難生活で高齢者が一番崩れやすいのは、「眠れない夜」が続いたときです。
特に夏場は、暑さ+不安+水分調整の難しさが重なり、熱中症リスクが一気に上がります。

この記事では、高齢者が避難所(または在宅避難)で“暑さに負けず眠る”ための実践策をまとめます。


■① 結論|高齢者の暑さ不眠は「体温・水分・風・安心」の4点セットで改善する

暑くて眠れないとき、多くの人は「冷やす」だけに寄ります。
高齢者はそれだけだと失敗しやすいです。

効かせる順番はこれです。

1) 体温(冷やす部位を絞る)
2) 水分(飲み方を決める)
3) 風(当て方を決める)
4) 安心(不安で覚醒するのを止める)

この4点を“ルール化”すると、夜が安定します。


■② 高齢者が暑さに弱い理由|自覚しにくい・喉が渇きにくい・体温調整が遅い

高齢者の暑さ対策は、若い人の常識が通用しない場面があります。

  • 暑さを感じにくい(気づいた時には進んでいる)
  • 喉の渇きが出にくい(飲むタイミングが遅れる)
  • 発汗や血流調整が遅い(体温が下がりにくい)
  • 夜間トイレを嫌がって水分を控える(脱水が進む)

「暑いけど大丈夫」が一番危ないパターンです。


■③ 体温調整は“全身冷却”より「首・わき・鼠径部」を狙う

眠れない暑さは、体の芯が熱い状態です。
全身を冷やそうとすると、冷えすぎて逆に眠れないことがあります。

効かせるなら、冷やす部位を絞ります。

  • 首(頸動脈)
  • わきの下
  • 鼠径部(足の付け根)

やり方は簡単で、冷却タオルや保冷剤をタオルで巻いて当てるだけ。
冷やしすぎないのがコツです。


■④ 水分は「一気飲み」より“少量ルール”|夜間トイレ問題も同時に解決する

高齢者の水分は、飲み方を決める方が強いです。

おすすめの型:

  • 寝る30〜60分前に 100〜150ml
  • その後は口を潤す程度に少量
  • 起床時にまず 150ml

夜間トイレが怖くて水分を切る人ほど、暑さで目が覚めます。
結果、眠れず汗をかき、さらに脱水が進む。

「少量でいいから入れる」ルールが勝ちです。


■⑤ 風は“当て続けない”|扇風機の当て方で冷えと乾燥を防ぐ

扇風機は便利ですが、当て方を間違えると

  • 体が冷えすぎて目が覚める
  • 喉が乾燥して咳が出る
  • 皮膚が乾燥して不快になる

対策はシンプル。

  • 直接当てない(壁や天井に当てて反射風)
  • 体の一部だけに弱く当てる(足元)
  • 乾燥するなら濡れタオルを近くに置く

「風は強さより向き」が重要です。


■⑥ 避難所でできる“場所の工夫”|入口・窓際・人の密集を避ける

可能なら、以下を避けるだけで寝やすくなります。

  • 出入口付近(外気が入り暑くなる/人の出入りが多い)
  • 窓際直下(朝日で早く暑くなる)
  • 人が密集する中心部(体温で室温が上がる)

寝場所が選べない場合は、せめて“頭の向き”だけ変える。
入口方向に頭を向けると、人の動きが気になりやすいです。


■⑦ 眠れない原因は「暑さ+不安」|安心を作ると眠りが深くなる

高齢者は、暑さで寝苦しいと不安が増えます。

  • このまま倒れるんじゃないか
  • 迷惑をかけたくない
  • 眠れない焦り

不安で交感神経が上がると、さらに眠れません。

有効なのは「確認できる安心」です。

  • 今夜の水分ルールはこれ
  • 冷却はここに当てる
  • しんどくなったら誰に言うか決める

決めておくだけで、眠りに入りやすくなります。


■⑧ 被災地の現場で感じたこと|高齢者は“我慢”で悪化しやすい

被災地派遣(LO)でよく見たのは、
高齢者が「暑い」「しんどい」と言わず、我慢して悪化するパターンです。

  • 水分を控える
  • 横になったまま動かない
  • 眠れず体力が落ちる
  • 熱中症に近づく

避難生活では、我慢は強さではありません。
早めに“申告できる仕組み”が命を守ります。


■⑨ 今日の最小行動|高齢者の暑さ対策を「セット化」する

今日やることはこれだけで十分です。

  • 冷却タオル(または保冷剤+タオル)を1つ用意
  • 100〜150mlの水分ルールを紙に書く
  • 扇風機は直接当てず、反射風にする

この3つで、夜の不眠と熱中症リスクが下がります。


まとめ

高齢者の避難生活での暑さ不眠は、熱中症リスクと直結します。
「冷やす」だけでは足りません。

  • 体温:首・わき・鼠径部を狙って冷却
  • 水分:少量ルールで脱水を防ぐ
  • 風:直接当てず、反射風で整える
  • 安心:不安を減らす“決め事”を作る

眠れない夜を減らすことが、避難生活を崩さない最短ルートです。


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