【防災士が解説】防災×避難所×子どもの“食べられない問題”その2|現場で見た「心の不安」と食事の関係

避難所で子どもの「食べられない」は、
体力の問題だけでなく 心の不安が原因 であることが多いです。

私は被災地支援で数多くの子どもと接してきましたが、
「食べない=ワガママ」では決してありません。
むしろ、避難所という慣れない環境が大きなストレスとなり、
その不安が食欲に表れているケースが非常に多くあります。


■① 子どもは環境の変化に敏感

避難所は大人でも緊張します。
まして子どもにとっては、突然の非日常空間。

  • 音が大きい
  • 人が多い
  • トイレも暗い
  • 寒い
  • 親が不安そう

こうした要因が重なると、子どもの体は「食べられないモード」になります。

避難所で泣き出す子、食欲をなくす子を何度も見てきました。
これは子どもが“心の防御反応”を起こしているサインです。


■② 食べないことで体力が急激に落ちる

避難生活では体力の消耗が激しく、
食べない状態が続くと以下のリスクが高まります。

  • 風邪・胃腸炎
  • 脱水
  • 低体温症
  • 感情の不安定化
  • 夜泣き・不眠

能登半島地震でも、食べられないまま体調を崩した子どもを何人も見ました。
「子どもが食べられる物を確保する」ことは命を守る行動です。


■③ 子どもの食事は大人が “選べない”

避難所の食事は、配布されたものを食べるしかありません。

  • コンビニパン
  • おにぎり
  • 乾パン
  • カップ麺
  • レトルト食品

これらは子どもが嫌がりやすい食品が多く、
「苦手な物ばかりで何も食べられない」というケースは珍しくありません。

特に偏食のある子どもは負担が大きくなります。


■④ 備蓄で“子ども専用枠”を作るのが最も有効

大人と子どもでは「災害時に必要な食事」が違います。

子ども用におすすめの備蓄:

  • 小分けのゼリー飲料
  • 好きなスティックパン
  • 栄養バランスの良いクッキー
  • 温めず食べられるレトルト
  • 子ども向けシリアル
  • アレルギー対応食品
  • スープやミルク系の味

「好き嫌いの確認」ではなく、
“災害時でも食べられるもの”の確保 が重要です。


■⑤ 食事は子どもの“安心材料”

避難所で、いつも食べている味を口にした子が
急に笑顔になった瞬間を何度も見ました。

食事は

  • 不安を落ち着かせ
  • 心の負担を軽くし
  • 家族の雰囲気を穏やかにし

避難生活の全体を安定させてくれる大切な要素です。


■⑥ 子どもが“好きな味”は強い味方

  • カレー
  • コーンスープ
  • フルーツゼリー
  • チョコ味の栄養食品

こうした“子どもが安心できる味”は本当に強力です。

被災地で配ったときの反応からも、
味の安心感が行動・睡眠・体調に直結する と痛感しています。


■⑦ 非常食は“量より種類”で準備する

同じ食べ物が続くと、子どもはすぐに飽きてしまいます。

そのため備蓄は:

  • 2〜3種類のゼリー
  • 味の違うパン
  • 何種類かのレトルト
  • 甘い物・しょっぱい物のバランス

この“種類の確保”が非常に重要です。


■⑧ 「1週間分」ではなく「3日×子ども専用枠」で考える

子どもの食欲は避難直後に落ちることがほとんど。

まず3日分を確実に食べられるものを確保してください。

  • すぐ食べられる
  • 温め不要
  • 喉につまらない
  • 好きな味
  • 小分けで持ち運びやすい

これが子ども用備蓄の基本です。


■まとめ|食べられるものがあるだけで、子どもは安心する

避難所では、大人以上に子どもがストレスを抱えます。
その中で「食べられる物がある」ことは、
体力・心・生活リズムを守るためのもっとも大切な要素です。

結論:
“子どもの好きな食べ物の備蓄”は、命と心を守るための最重要の備え。
防災士としての現場経験からも、家庭備蓄に必ず取り入れてほしいポイントです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました