【防災士が解説】災害時の“湿気とカビ問題”をどう防ぐ?停電・断水で室内環境が悪化するときの対処法

停電や断水が続き、雨や湿気が室内にこもると「カビ」「湿気」「悪臭」が急速に発生します。特に梅雨・夏・水害後は、わずか1〜2日で室内環境が悪化し、健康被害につながることもあります。ここでは、災害時に起こりやすい湿気トラブルと、現実的な対処法を解説します。

■災害時に湿気が急増する原因
・浸水後の水分が室内に残る
・停電でエアコン・除湿機が使えない
・雨で窓が開けられない
・避難所から持ち帰った濡れ物
・人の呼気や汗で湿度が上がる
・換気が十分できない

湿気は“目に見えない災害”とも呼ばれるほど厄介です。

■湿気が溜まると起きる問題
・カビの発生
・布団やマットが湿る
・衣類の生乾き臭
・食品が腐りやすくなる
・木材が膨張し扉が閉まらない
・家の構造部分の劣化
・喘息・アレルギー悪化

水害や長雨の後は、湿気が家中に広がります。

■まずやるべき応急処置
・濡れた物をすぐ外へ出す
・床をタオルで拭き取る
・新聞紙で水分を吸い取る
・通気できる場所を確保
・濡れた布団は外に干す(晴れ間を狙う)
・使える部屋と使えない部屋を分ける

“濡れたものを放置しない”が最優先です。

■カビを防ぐポイント
・濡れた壁や床は早めに乾燥
・消毒用エタノールで拭く
・重曹やクエン酸は軽度のカビに有効
・衣類は密閉袋で仕分け
・押入れの扉は開けておく
・畳は湿気を吸いやすいため注意

カビは「湿度・温度・栄養」の3つが揃うと一気に増えます。

■浸水被害があったときの対策
・床下の泥を早めに除去
・床材を乾燥させるまで時間が必要
・断熱材に水が入るとカビが広がる
・完全乾燥には1〜2週間以上かかる場合も
・専門業者の早期介入が重要

水害は“見えない部分の湿気”が最大のリスクです。

■湿気を減らす簡易方法
・新聞紙やタオルを敷き詰めて吸水
・扇風機(バッテリー式)で風を循環
・窓を少しだけ開けて換気
・アウトドア用乾燥剤を活用
・衣類乾燥袋で服を乾かすことも可能

停電でもできる湿気対策は多くあります。

■布団の湿気対策
・できる限り外に干す
・敷布団は丸めず立てかける
・湿った部分だけでも日光に当てる
・布団乾燥袋を使えば簡易乾燥も可能

布団の湿気は“睡眠の質”に直結します。

■避難所での湿気対策
・床の冷気や湿気を避けるためブルーシート利用
・靴や靴下をこまめに乾燥
・布団の湿気に注意
・体温で湿気がこもりやすい
・全体が湿っぽくなるので換気は重要

避難所は人の密集で湿気が非常に高くなります。

■災害前に備えておくもの
・乾燥剤
・新聞紙
・速乾タオル
・ブルーシート
・エタノールスプレー
・除湿シート
・電池式の小型ファン
・衣類用の圧縮袋

これらは軽量・安価で、湿気対策として非常に有効です。

■まとめ
災害時の湿気・カビ問題は、停電・断水・浸水・密閉空間などの条件が重なるとすぐに発生します。特に水害後は構造部分に湿気が残りやすいため、濡れた物の除去・換気・乾燥が重要です。湿気対策は命に関わる衛生問題となるため、事前の備えが避難生活の健康維持につながります。

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