【防災士が解説】“災害時のトイレ行列問題”をどう解決する?|避難所・在宅避難で待ち時間を減らすための現実的テクニック

地震・豪雨・停電などの災害後、避難所や公的施設では「トイレ行列」が必ず発生します。
長時間の待ち時間、子どもの我慢、夜間の危険──トイレ行列は大きなストレスとなり、健康トラブルを引き起こすこともあります。ここでは、防災士として現場で実際に役立った“行列対策”をまとめます。

■なぜ災害時はトイレの行列ができる?
・避難所のトイレ数が少ない
・水が流れず使用制限がかかる
・清掃が追いつかない
・高齢者や子どもが多いと時間がかかる
・災害初期は特に集中する

避難生活で最初に直面するストレスです。

■行列が長いと起きる問題
・子どもや高齢者が我慢できない
・冷えで体調を崩す
・夜間は危険が増す
・感染症のリスク上昇
・精神的ストレス
・トイレを我慢して水分摂取が減る

“我慢は命に関わる”のが災害時のトイレ。

■避難所で待ち時間を減らすコツ
① 朝夕の混雑時間を避ける
・6〜8時、18〜21時がピーク
・少しずらすだけで待ち時間が短い

② 空いているトイレを見つける
・多目的トイレ
・体育館の別階
・敷地内の公衆トイレ

③ グループ単位でタイミングをずらす
・子ども、女性、高齢者を優先

④ トイレ位置を事前に把握
・避難直後に“マップ化”すると便利

■在宅避難でも行列は起こる?
家族4〜5人が在宅避難すると、朝・夜に混雑しやすい。
水洗が使えない場合は以下で対応。

・携帯トイレを併用
・使用後の袋を二重にする
・紙類の使い過ぎに注意
・消臭袋で管理

携帯トイレが1人3〜5回分あると安心。

■携帯トイレの使い方(行列回避に最強)
① 便座に袋をセット
② 用を足す
③ 凝固剤をかけて固める
④ 袋をしっかり縛る
⑤ 消臭袋へ入れて保管

“行列をゼロにできる”最も現実的な方法。

■子どものトイレ行列対策
・携帯トイレは必ず別に持つ
・ズボンの脱ぎ着しやすい服装
・トイレの場所を事前に説明
・夜は大人が必ず同行
・水分を我慢させない

子どもは突然行きたくなるため“準備が命”。

■高齢者のトイレ行列対策
・足腰が弱い人は近くのトイレを優先
・紙パンツ・尿パッドの併用
・夜間は付き添い
・寒さ対策を徹底(トイレが寒い)

トイレ待ちの椅子があると安全。

■行列が長すぎる時の応急処置
・体育館外の公衆トイレを使う
・施設内の別トイレを探す
・携帯トイレで回避
・隙間時間にまとめて行く
・トイレの清掃を手伝い利用可能数を増やす

“清掃は行列短縮につながる”のが避難所の現実。

■備えておきたい“トイレ行列回避セット”
・携帯トイレ(1人3〜5回分)
・凝固剤
・ビニール袋
・消臭袋
・ウェットティッシュ
・小型ライト(夜間用)
・ひざ掛け(寒さ対策)

すべて軽く、持ち運びも簡単。

■まとめ
災害時のトイレ行列問題は、子ども・高齢者を中心にストレスと健康被害を生みます。
行列を避けるには“携帯トイレの併用”がもっとも現実的で、家族全員分を備えることでトイレ待ちの不安はほぼ解消します。
トイレ行列対策は、避難生活を快適に過ごすための必須の防災準備です。

トイレの時間を守ることが、家族の健康を守ることにつながります。

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