【防災士が解説】防災×除染|「善意の掃除」が被害を広げることもある

「とにかく片づけよう」
「汚れているなら洗えばいい」

災害後、誰もがそう思います。
しかし除染に関しては、その行動が逆効果になることがあります。

防災の現場では、
正しく除染できるかどうかが命と健康を左右します。


■① 除染とは「きれいにすること」ではない

まず大切な認識です。

除染とは、
放射性物質などの有害物質を“移動させず、減らす”こと

・洗い流せばOK
・拭けば終わり

ではありません。

間違った除染は、
汚染を拡散させます。


■② よくある「間違った除染行動」

過去の災害対応で、実際に問題となった行動です。

・ホウキで掃く
・乾いた雑巾で拭く
・高圧洗浄機で一気に洗う
・素手で触る
・排水先を考えない

これらは、
放射性物質を舞い上げ・広げる行為になります。


■③ 除染で一番重要なのは「封じ込め」

正しい除染の基本はシンプルです。

・舞い上げない
・移動させない
・集めて隔離する

たとえば、
乾いた掃除ではなく「湿らせて拭く」。
集めた汚染物は「密閉する」。

これだけで、
リスクは大きく下がります。


■④ 個人が勝手にやってはいけない理由

除染は、
個人判断で行ってはいけない作業です。

理由は3つあります。

  1. 二次被ばくの危険
  2. 汚染拡大の可能性
  3. 廃棄物の処理問題

特に問題になるのが、
「集めた後、どうするか」です。


■⑤ ダンボール・布製品の扱いは要注意

災害時によく使われる物ほど危険です。

・ダンボール
・毛布
・衣類
・カーテン

これらは、
放射性物質を吸着しやすい素材です。

再利用しようとすると、
汚染を屋内に持ち込むことになります。


■⑥ 除染と清掃はまったく別物

清掃は「快適さ」のため。
除染は「安全」のため。

この違いを混同すると、
現場は混乱します。

防災では、
見た目より中身
を重視します。


■⑦ 行政・専門家の役割が不可欠

除染は、

・測定
・区画
・管理
・回収

がセットで初めて成立します。

だからこそ、
行政・専門機関の判断が必要です。

「何もしない」のも、
正しい判断になることがあります。


■⑧ 防災で大切なのは「我慢する力」

災害後は、
すぐ行動したくなります。

しかし除染では、
動かない勇気が必要な場面もあります。

焦らず、
正しい情報を待つ。

それも立派な防災行動です。


■まとめ|除染は「やらない判断」も防災

除染は、
善意だけでは成立しません。

・正しい知識
・役割分担
・専門判断

これが揃って初めて意味を持ちます。

防災とは、
「何をするか」だけでなく、
「何をしないか」を決めること。

それが、
除染という分野の本質です。

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