【防災士が解説】“炊き出し”は公園ベンチが役立つ理由|被災地で見落とされがちな生活インフラ

災害時、避難所や地域で行われる「炊き出し」。
実は、公園の“ベンチ”が炊き出し現場で大きな役割を果たすことをご存じでしょうか?

普段は何気ないベンチですが、
非常時には【調理・配膳・荷物置き・休憩・情報共有の場】として機能する、
とても重要な“生活インフラ”になります。

ここでは、公園ベンチが炊き出しで役立つ理由と、避難所運営での活用方法をまとめます。


■ 公園ベンチは“作業台”として最適

炊き出しでは調理器具・具材・配膳セットなど、
地面に置けないものが大量に発生します。

ベンチはちょうど良い高さと広さがあり、

● 具材の並べ替え
● 計量
● 調理前の準備
● 汁物の盛り付け
● 配膳トレーの置き台

など「地面でやるには危険・不衛生」な作業を安全に行えます。


■ ベンチが“荷物置き場”として重要

炊き出しでは、

● 包丁
● 食材
● 調味料
● ラップ
● 紙皿
● おたま・トング

など、置く場所が必要です。

地面に置くと衛生面で問題が出るため、
ベンチが安全で衛生的なスペースになります。


■ “配給列の整理”にもベンチが役立つ

炊き出しは行列ができやすく、混乱しやすい場面です。

ベンチは
● 列の蛇行調整
● 通路の確保
● 子どもの待機場所
● 高齢者の休憩スペース

としても利用できます。

「座れる場所がある」だけで混乱が大きく緩和されます。


■ 高齢者・障害のある方の“休憩場所”に最適

災害時の炊き出しでは、
● 長時間立つ
● 行列で待つ
● 荷物を持って移動する
といった負担がかかります。

ベンチがあることで、
高齢者や足の不自由な方の安全が確保しやすくなります。


■ ベンチは“情報交換スポット”にもなる

被災時は情報が不足し、
「どこへ行けばいい?」「どんな支援が来ている?」
など不安が大きくなります。

ベンチに座れば、
● 近所の人との会話
● 情報共有
● 子どもの見守り
● ボランティア同士の連携

などが自然に生まれ、
避難生活の安心感が増します。


■ 公園ベンチを利用するときの注意点

● 調理台として使う場合はラップ・アルミシートを敷く
● 風で物が飛ばされないよう固定
● ベンチの片側を“休憩用”に残す
● 濡れたベンチは拭き取ってから使用
● 配膳物と私物を混乱させないよう整理

衛生管理を意識することが重要です。


■ まとめ

公園ベンチは、炊き出しの現場で驚くほど役立つ“生活インフラ”です。

● 作業台
● 荷物置き場
● 整列・誘導
● 情報共有
● 子ども・高齢者の休憩
● 安全な配膳スペース

普段気にしていないベンチが、
災害時には地域を支える「多機能ステーション」になります。

避難所運営をスムーズに行うためにも、
地域の公園ベンチの位置を事前に把握しておくことをおすすめします。

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