首都直下地震が発生した場合、都心部では道路の陥没や沿道建物の火災などにより深刻な交通麻痺が生じ、消防の消火・救助活動に重大な支障を及ぼすことが懸念されます。建物の耐震化などハード面での対策も重要ですが、住民自らによる初期消火や救助活動も欠かせません。特にコロナ禍以降、在宅勤務が広がったことで、日中に地域での救出・救護活動を担える層として期待が高まっています。
■① 首都直下地震で想定される被害
- 東京都内では最大で死者約8,000人、負傷者約5万人、全壊・焼失棟数は約17万6,000棟と試算。
- 東京消防庁管内のポンプ車は489台、救急車は275台で、同時多発する火災や救助事案への対応は困難。
- 道路の損傷や火災の拡大、放置車両などにより、1日以上通行不能となる道路も発生する可能性。
■② 消防活動の限界と自主防災組織
- 消防団員数の減少もあり、初期消火・救助活動を担う自主防災組織の重要性が指摘されている。
- 東京圏の自主防災組織の活動カバー率は78%と全国平均を下回る。
- 自主防災組織が地域で活動できる環境整備と参加者の意識向上が必要。
■③ 在宅勤務者の活用
- 首都直下地震では、都心部の交通量を削減し緊急車両の通行路を確保するため、一般車両は環状7号線内への通行が禁止される。
- 日中、地域で救出・救護活動を担えるのは在宅勤務者が有力な候補。
- 東京圏でのテレワーク就業者は36.8%で、全国平均24.6%を上回る。
■④ 協力呼びかけの重要性
- 報告書では、国や自治体があらかじめ企業を通じて在宅勤務者に防災協力を呼びかけることの必要性を明記。
- 在宅勤務者が日中に地域活動に参加することで、初期消火や救助活動の迅速化が可能になる。
- 防災士として現場を見てきた経験では、事前の意識啓発や訓練が被害軽減に直結する。
■⑤ 防災意識向上と行動力の普及
- 東京消防庁は、防災訓練、各種行事、幼少期からの啓発活動を通じ、防災意識の普及と行動力向上に努めている。
- 在宅勤務者もこれらの活動に参加することで、自宅や職場周辺での初期対応力を高めることができる。
- 地域との連携や事前訓練により、災害時の判断力・行動力が向上する。
■⑥ 初期消火・救助活動の具体例
- 消防が到着する前に、延焼防止のために周囲の可燃物を取り除く、初期消火器で火元を抑える。
- 負傷者が発生した場合、応急手当や安全な場所への移動を支援。
- 道路や通行路の確保に協力し、消防車や救急車が迅速に活動できる環境を整える。
■まとめ|在宅勤務者が地域防災力を支える
首都直下地震では、消防活動だけでは対応が追いつかない状況が想定されます。日中、地域で救出・救護活動を担える在宅勤務者の存在は、初期消火や避難支援において重要な役割を果たします。事前の協力呼びかけ、訓練、啓発活動を通じて、防災意識を高めることが地域の安全を支える鍵となります。
結論:
防災×在宅勤務者は、「初期消火・救助活動の担い手」として、首都直下地震の被害を最小限に抑えるために不可欠です。
元消防職員として現場経験を踏まえると、事前の準備と地域との連携こそが、迅速で安全な災害対応を可能にする最大の要素です。

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