【防災士が解説】防災×教育|答えがないから難しい、防災と暗記教育の限界

防災が難しいと言われる理由は、
専門的だからでも、情報が多いからでもありません。
「答えが一つではない」からです。

日本の教育は、長く暗記を軸に発展してきました。
しかし、防災という分野では、その強みが限界に変わる場面が多くあります。


■① 防災には「正解」が用意されていない

防災の現実では、

・状況が刻々と変わる
・情報が不足する
・選択肢すべてにリスクがある

という状態が当たり前です。
教科書のように「これが正解」という答えは存在しません。


■② 暗記教育は「答えを探す力」を強化する

暗記教育では、

・正解がある
・覚えれば点が取れる
・間違えないことが評価される

思考が身につきます。
これは学習としては有効ですが、防災では「探している間に時間が過ぎる」危険があります。


■③ 防災士から見て多かった行動停止の理由

現場で多かったのは、

・正しい行動を思い出そうとして動けない
・想定と違って固まる
・誰かの判断を待ち続ける

知識不足ではなく、答え待ち思考が行動を止めていました。


■④ 防災では「覚える」より「組み替える」

防災で必要なのは、

・知識をそのまま使う力
ではなく
・知識を状況に合わせて組み替える力

です。
暗記は材料であって、完成品ではありません。


■⑤ 教育現場が言いにくい本音

教育の現場では、

・評価の公平性
・管理のしやすさ
・責任の所在

から、答えのある教育が選ばれがちです。
しかし本音では、「社会に出たら答えのない判断が必要」だと分かっています。


■⑥ 自律型避難が求める思考は暗記と逆方向

自律型避難では、

・不完全な情報で決める
・外れても修正する
・結果より判断を尊重する

思考が必要です。
これは、暗記中心の評価軸とは真逆に位置します。


■⑦ 防災教育で必要な問いの形

防災教育では、

・この状況ならどうする?
・別の選択肢は?
・なぜそう考えた?

という問いが重要です。
答えを当てるのではなく、考えた過程を評価します。


■⑧ 答えがないことに慣れた人は強い

答えがない状況に慣れている人ほど、

・初動が早い
・修正が効く
・後悔が少ない

傾向があります。
防災力とは、知識量ではなく「決断耐性」です。


■まとめ|防災は暗記の先にある

防災が難しいのは、答えがないからです。
そして、それこそが防災の本質です。

結論:
防災の観点では、暗記教育で培った「正解を探す力」だけでは限界があり、答えのない状況で決めて動く力を育てる教育こそが、命を守る力になる。

防災士として現場を見てきた中で、
知識の多さよりも「迷っても決めて動けた人」ほど、被害を避け、周囲を助ける側に回っていました。
防災は、覚えた先で考える力が試される分野です。

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