【防災士が解説】避難生活では「早く立ち直らなきゃ」と思わなくていい理由

避難生活に入ると、
周囲や自分自身から、こんな言葉が浮かびやすくなります。

「もう切り替えなきゃ」
「いつまでも引きずってはいけない」

しかし、避難生活において
“早く立ち直ること”を目標にすると、
かえって心を追い込んでしまうことがあります。


■① 立ち直りには「期限」がない

避難生活では、

・住む場所
・生活リズム
・将来の見通し

すべてが不安定な状態です。

この状況で、
心だけを早く元に戻そうとするのは無理があります。

立ち直りには、
期限も正解もありません。


■② 「立ち直ろう」とするほど苦しくなることもある

立ち直ろうとすると、

・悲しさを抑え込む
・不安を感じないふりをする
・元気な自分を演じる

といった行動が増えます。

その結果、
本当の気持ちが置き去りになり、
心の疲れが蓄積していきます。


■③ 回復は一直線では進まない

避難生活での回復は、

・今日は少し楽
・明日はまたつらい

というように、
行きつ戻りつを繰り返します。

調子が戻ったと思っても、
また落ち込むことは珍しくありません。

それは後退ではなく、
自然な波です。


■④ 立ち直らなくても生活は続けられる

避難生活に必要なのは、

・前向きな気持ち
・強い意志

ではありません。

・今日をやり過ごす
・最低限の判断ができる
・自分を責めすぎない

これだけで十分です。


■⑤ 無理に気持ちを切り替えなくていい

気持ちは、
切り替えようとして切り替えられるものではありません。

・今は沈んでいる
・今日は何も考えたくない

そう感じる日があっても問題ありません。

それを否定しないことが、
回復への近道になることもあります。


■⑥ 「立ち直れない自分」を責めない

避難生活では、

「自分は弱いのでは」
「他の人はもっと頑張っている」

と感じてしまいがちです。

しかし、
立ち直れないのは能力の問題ではなく、
環境の影響です。


■⑦ 立ち直らなくていい防災という視点

防災とは、
強くなることではありません。

心が揺れながらでも、
生活を続けられる状態を保つことです。

「まだ立ち直れなくていい」
そう思える余白を持つこと。

それが、
避難生活で心を守るための、
現実的で静かな防災になります。

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