大きな災害が起きたとき、
地域の指定避難所(体育館など)は、
どうしても“過密・騒音・温度調整の難しさ”が問題になります。
そんな環境ではつらい人を守るために設けられているのが
福祉避難所(ふくしひなんじょ) です。
■ 福祉避難所とは?
高齢者、障害のある方、乳幼児、妊産婦など
“特別な配慮を必要とする人(要配慮者)”が避難する場所。
市区町村が医療・福祉施設と協定を結んで指定している。
■ 誰が利用できるのか?
● 高齢者(要介護・歩行が困難など)
● 障害のある人(身体・知的・精神)
● 妊娠中の方
● 乳幼児を抱える家庭
● 基礎疾患・持病がある人
● 福祉サービスを普段利用している人
“一般の避難所では過ごすのが困難”な人が対象。
■ 福祉避難所の特徴
▼ ① バリアフリー構造
段差が少なく、移動がしやすい。
▼ ② 仕切り・個室が確保される
プライバシーの確保、騒音対策として非常に重要。
▼ ③ 介護・看護スタッフがいる
避難所生活で必要なサポートが受けられる。
▼ ④ 医療体制が比較的整っている
持病・障害のある人でも安心して避難できる。
■ 注意点:福祉避難所は「最初から開設されない」
ここが最も誤解されやすいポイントです。
● 災害発生 → まずは“一般の避難所”へ
● 状況に応じて福祉避難所が“二次避難所”として開設
● 職員配置や受け入れ準備後に移動となる
つまり、初動は通常の避難所へ行く必要がある ということ。
■ 福祉避難所へ行く方法
● 市区町村が避難所で調整
● 療育・介護施設職員が受け入れ判断
● 医療・福祉ニーズを確認して移動
※勝手に直接行っても受け入れができない場合がある。
■ 福祉避難所へ行くべきサイン
● 介護が必要で一般避難所が過酷
● 持病・障害で静かな環境が必要
● 寝具・車椅子・医療機器が必要
● 体温調整が難しい
● 子どもが泣き続けて周囲に気を使ってしまう
「つらい」「この環境が無理」と感じたら、すぐ相談を。
■ 福祉避難所でできること・できないこと
■ できること
● 介助・介護サポート
● 個室や静かなスペースの提供
● 医療的ケアが必要な人への配慮
● 食事・水の安定供給
■ できないこと
● 医療行為の提供(病院ではない)
● 全ての要望に完璧に応えること
● 事前予約
■ 家庭でできる準備(超大事)
● お薬手帳
● 医師の診断書
● 障害者手帳
● 介護保険証
● いつも使っている道具
● 名前と連絡先のわかるカード
“必要な支援を正しく伝えること”が、避難生活を大きく助ける。
■ まとめ
福祉避難所は、
一般避難所ではつらい人を守るための「二次避難所」。
・対象は高齢者、障害者、乳幼児、妊産婦など
・最初は一般避難所へ
・状況に応じて移動
・専門スタッフが対応してくれる
災害時の不安を減らすためにも、
家族の中で「誰が利用対象になるか」を事前に話しておくのが大切です。

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