■ 1. イスラエル:世界最速レベルの医療初動
テロ・戦争を経験してきた国だからこその圧倒的スピード。
特徴
- 市民ボランティア救急(ユナイテッド・ハツァラ)が全国に配置
- バイク救急隊が最速90秒で到着
- 心肺停止の救命率が高い
- SNS・GPSで近くの救急員を自動呼び出し
日本が学べること
- ボランティア救急の導入(一定訓練を受けた住民を活用)
- 電動バイク救急の増強
- 近隣救護者を自動マッチングするアプリの導入
■ 2. アメリカ:災害医療の“指揮命令系統”が強い
指揮系統(ICS)が明確で、誰が何をするかが即判明。
特徴
- FEMAを中心とした国家指揮系統
- 医療班・通信班・物資班など分担が極めて明瞭
- DMAT(災害医療チーム)の即応性が高い
- 派遣のオペレーションが洗練されている
日本が学べること
- 指揮命令系統のさらなる標準化
- 自治体ごとの差を埋める共通マニュアル
- 部隊ごとの役割明確化(特に初動)
■ 3. ドイツ:災害医療を“市民教育”とセットで実施
市民も医療を理解しているので連携がスムーズ。
特徴
- 市民の応急手当講習が義務
- 市民が救急・災害医療に詳しい
- 住民と救急隊の連携イベントが多い
- 災害時の避難所にも医療専門ブースが設置される
日本が学べること
- 応急手当講習を義務化レベルに強化
- 子ども向け医療教育の拡充
- 避難所に“医療コーナー常設”の仕組み
■ 4. 韓国:災害時の“病院間連携”がとても早い
国全体で医療情報を共有する仕組みが強力。
特徴
- 全国病院との患者受け入れ状況がリアルタイムで共有
- 搬送先がすぐに決まる
- 国家レベルの医療情報ネットワーク
- 大災害でも混乱しにくい
日本が学べること
- 病院の受け入れ情報をリアルタイムで一元化
- 災害時の搬送先決定の迅速化
- 全国共通の医療情報基盤を強化
■ 5. オーストラリア:炎症災害(山火事)に強い医療体制
火災大国として、火傷・煙の知見が豊富。
特徴
- 火傷専門病院が複数
- 煙吸入・熱傷の治療プロトコルが非常にレベル高い
- 山火事医療の研究が進む
- ファーストレスポンダーが火災医療に詳しい
日本が学べること
- 熱傷・煙吸入医療の教育強化
- 火災特化の医療知識を消防と医療で共有
- 山火事に備えた医療体制の整備
■ まとめ
海外の災害医療は
「初動の速さ」「市民教育」「情報共有」「専門性」
で日本を上回る部分も多い。
- イスラエル → 市民ボランティア救急+バイク救急
- アメリカ → 役割分担と指揮命令系統の強さ
- ドイツ → 市民教育と医療のセット
- 韓国 → 病院連携の圧倒的スピード
- オーストラリア → 火災医療の専門性
これらを取り入れれば、日本の災害医療はさらに強靭になる。
防災士としても、知っておきたい世界レベルの“医療防災”の視点。

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