能登半島地震では大津波警報が発表されたにもかかわらず、多くの人が車で避難し、あるいは避難しませんでした。これは特別な地域の問題ではなく、日本中どこでも起こり得る現実です。アンケート結果から、津波避難の本質と減災の課題を整理します。
■① 「大きな津波は来ない」という思い込み
避難しなかった理由で最も多かったのが、「避難が必要な大きな津波は来ないと思った」という認識でした。これは過去の経験や正常性バイアスが強く働いた結果です。
■② 徒歩避難が定着しない現実
推奨されている徒歩避難を選んだ人は約4人に1人にとどまり、約半数が車で避難していました。原則徒歩という考え方は、まだ行動として定着していません。
■③ 車避難が招くリスク
車は早く遠くへ逃げられるという安心感がありますが、渋滞や道路寸断に巻き込まれると一気に危険になります。実際、津波で押し流された車も確認されています。
■④ 避難しなかった2割の重み
約2割が「避難しなかった」という事実は重く受け止める必要があります。警報に気付いていても、行動に移らない人が一定数いることが明らかになりました。
■⑤ 複数人での避難が多かった点
避難した人の約8割は「2人以上でまとまって避難」していました。声を掛け合い、行動を共にすることが避難の後押しになっていたことが分かります。
■⑥ 避難先の選択に見える傾向
「近くの高台や裏山」「学校や近隣の建物」など、身近で分かりやすい場所が多く選ばれていました。事前に想定していた避難先が、そのまま行動につながっています。
■⑦ 教訓があっても行動は変わらない現実
東日本大震災から15年が経過しても、「徒歩避難」「即避難」は十分に浸透していません。知識として知っていることと、実際に動けることには大きな差があります。
■⑧ 減災で本当に必要なこと
減災の鍵は、新しい情報を増やすことではなく、迷わず動ける判断基準を持つことです。
「揺れたら、考えずに高い所へ歩いて逃げる」
この一択を体に染み込ませることが、命を守ります。

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