■ 1. オランダ:水害対策は“国の最重要プロジェクト”
オランダは国土の3割以上が海面より低い“水との戦いの国”。
特徴
- 世界最大級の大規模水門「デルタプロジェクト」
- 沖合に巨大な“防潮壁で守られた街”を形成
- 洪水リスクを土地ごとに数値化
- 住民の教育も徹底され、防災意識が高い
日本が学べる点
- 地域ごとの水害リスク可視化
- 河川・海岸の大規模インフラの再評価
- 国を挙げた水害対策の長期計画
■ 2. ドイツ:都市の“雨水地下貯留”が圧倒的
ドイツは都市型水害への対策が非常に進んでいる。
特徴
- 町全体の下に巨大な貯水トンネルを設置
- 道路の縁石を低くし、水が流れやすい街づくり
- 公園が“雨水一時貯留池”として機能
- 都市の設計段階から水害を考慮する
日本が学べる点
- 雨水貯留・浸透を街づくりに組み込む
- 都市公園の多機能化
- 水害を前提にした道路設計
■ 3. オーストラリア:住民参加型の“ハザードマップ”
水害・山火事が多い豪州は住民の防災力が高い。
特徴
- ハザードマップを“住民と一緒に作る”
- その地域に合った避難ルートを住民自身が提案
- SNSと連動した緊急警報
- 子どもの防災教育も充実
日本が学べる点
- 住民参加型ハザードマップ
- SNSなどのリアルタイム情報発信強化
- 避難行動の“自分ごと化”を促す教育
■ 4. アメリカ:住宅の耐水化が当たり前
アメリカでは住宅の「水害に強い工夫」が進んでいる。
特徴
- 水害地域は“高床式住宅”が義務化
- 家具固定だけでなく“配電盤の位置を上げる”
- 防水ドア・防水窓の導入が一般的
- 民間保険の仕組みが充実
日本が学べる点
- 住宅の耐水化の義務化(地域限定でも可)
- コンセント・配電盤の高さ基準見直し
- 防水設備の普及促進
■ 5. タイ:バンコクの“水と共存する街づくり”
大洪水を多く経験するバンコクならではの発想。
特徴
- 大学が設計した「水を溜める公園」が有名
- 街を“巨大スポンジ”として設計
- 地下に大容量の排水施設
- 洪水時には逆に水を受け入れる構造
日本が学べる点
- 受け入れ型の水害対策の導入
- スポンジシティ構想の参考
- 都市型洪水への前向きな発想
■ まとめ
世界の水害対策は「巨大インフラ」「都市設計」「住民参加」「住宅対策」の4軸。
- オランダ → 世界最高の水害インフラ
- ドイツ → 都市地下貯水の本場
- 豪州 → 住民参加型マップ
- 米国 → 住宅の耐水化
- タイ → 水を“受け入れる”街づくり
日本の水害対策もさらに進化させるヒントが、世界には数多くある。

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