災害時の避難所では、限られたスペースや設備により体調を崩す高齢者や持病をもつ方が増えることがあります。南海トラフ地震など大規模災害に備え、避難所の収容能力や生活環境の課題を整理し、車中泊を含む代替避難手段について検討が進められています。
■①スフィア基準とは
国際的に定められた避難所の最低生活基準「スフィア基準」は、1人あたり3.5平方メートルの居住スペース、トイレ20人に1基、入浴施設50人に1か所などを定めています。大規模地震では、この基準を満たす避難所だけでは収容人数が大幅に不足する場合があります。
■②避難所の課題
過去の震災では、体育館や学校の教室を避難所として利用してきましたが、限られたスペース・温度管理・衛生管理が不十分で、寒さや高温、密集環境による健康リスクが高まることが確認されています。高齢者や持病のある方は体調を崩しやすく、災害関連死の原因となることもあります。
■③車中泊の活用
避難所が不足する場合、車中泊は有効な代替手段になります。自治体では運動場や駐車場を活用した駐車スペースの確保や、災害時の支援方法の検討が行われています。車内で足を伸ばして横になれることや、水分補給、軽い運動を行うことが健康維持につながります。
■④エコノミークラス症候群への注意
車中泊では窮屈な姿勢で長時間過ごすと、エコノミークラス症候群のリスクがあります。こまめに足を動かす、水分を摂取するなど、健康リスクを減らす行動が必要です。
■⑤自治体と住民の役割
避難所運営は行政だけでなく、住民の協力も不可欠です。避難所の設備には限界があるため、避難者自身も適切な準備や行動を行うことが求められます。車中泊用の駐車ゾーン設置により、避難者の把握や支援提供が容易になります。
■まとめ|避難所不足に備える
スフィア基準を満たす避難所だけでは大規模災害時の全避難者を収容できません。
車中泊は、避難所不足時の有効な選択肢であり、健康維持の工夫を行うことで安全に活用可能です
元消防職員として現場を経験してきた視点では、避難所の限界を理解し、車中泊や家庭での備えを組み合わせることが被害軽減に直結します。

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