【防災士が解説】避難所の環境が睡眠を壊す理由|防災×睡眠対策

避難所では「横になっているのに休めない」「眠った気がしない」と感じる人が非常に多くなります。これは気のせいではありません。被災地で避難所環境を何度も見てきた中で、睡眠を壊す要因がいくつも重なっていることを強く感じました。


■① 避難所は本来「眠る場所」ではない

体育館や公民館、学校施設は、集会や活動を目的とした場所です。長時間の睡眠を前提に設計されていません。被災地でも、床の硬さや空間の広さが、身体を十分に休ませない原因になっていました。


■② 人の気配が常に感じられる

避難所では、周囲に常に人がいます。寝返り、咳、話し声、立ち歩く音など、微細な刺激が途切れません。被災地では「一人になれないことが一番つらい」という声も多く、無意識の緊張が続いていました。


■③ 音と光が同時に存在する環境

夜間でも照明は消えず、音も完全には止まりません。この状態では、脳が警戒を解けず、深い睡眠に入りにくくなります。実際の避難所では、眠りが浅く、何度も目が覚める人が目立ちました。


■④ 不安と緊張が抜けない心理状態

災害直後は、先の見えない不安を抱えたまま夜を迎えます。被災地では、「目を閉じると不安が強くなる」という声も多く聞かれました。環境だけでなく、心理的な要因も睡眠を妨げます。


■⑤ 自分で環境を変えにくい

避難所では、照明を消したり音を止めたりすることができません。多くの人が共同で使う空間だからです。被災地では「どうにもならないこと」がストレスになり、眠れなさを悪化させていました。


■⑥ 睡眠の質が落ちると疲労が蓄積する

浅い眠りが続くと、身体は回復しません。避難生活が長引くほど、疲労は確実に蓄積します。被災地では、数日後から一気に体調を崩す人が増えていきました。


■⑦ 個人でできる現実的な対策が必要

避難所の環境そのものは変えられません。しかし、自分の周囲だけなら対策が可能です。耳栓やアイマスクは、環境から受ける刺激を減らし、睡眠を守るための現実的な手段です。被災地経験から言えるのは、「環境に耐える」のではなく「環境から身を守る」意識が重要だということです。


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