【元消防職員が解説】防災×山林火災|消えない火と壊れていく消防装備、長期戦の現実

山梨県大月市・上野原市にまたがる扇山で発生した山林火災は、発生から2週間が経過しました。
現在、延焼の勢いは弱まりつつあるものの、完全な鎮圧には至っておらず、地上からの放水を中心に消火活動が続いています。

今回の火災では、県内最大規模となる約396ヘクタールが焼失しました。


■① 「火は収まったように見える」が一番危険な段階

現地では、遠目には煙が確認できない状況になっています。

しかし、山林火災で最も厄介なのは
「表から見えない残り火」です。

  • 地表下の腐葉土
  • 倒木の内部
  • 岩陰や斜面の根元

こうした場所に残った火種は、
風や乾燥で再燃する危険があります。


■② 山林火災は「鎮圧までが本当の勝負」

大月市消防本部は、

「一つひとつの火種を消しながら、鎮圧に向かいたい」

とコメントしています。

これは山林火災の現場を知る者として、極めて現実的な言葉です。

山林火災は、

  • 一気に消えることはない
  • 最後は人の目と手に頼る
  • 時間と体力を確実に削る

長期戦が前提の災害です。


■③ 長期化で深刻化する「装備の消耗」

今回、特に注目すべきなのが
消防機材の大量破損です。

  • 消火用ホース
  • シューター(斜面放水用装備)
  • 登山道を使った機材搬送

山林火災では、

  • 急斜面
  • 岩場
  • 長距離搬送

が当たり前で、装備への負担は市街地火災の比ではありません。


■④ 装備が壊れる=消火能力が落ちる

消防装備は「消耗品」ではありますが、
一度に大量破損すると、

  • 代替装備が足りない
  • 次の火災対応に影響が出る
  • 消防隊員の安全にも直結する

という問題が生じます。

装備の破損は、目に見えない二次被害です。


■⑤ ふるさと納税で寄付を募る理由

こうした状況を受け、

  • 上野原市
  • 大月市

は、
消防装備品の更新や登山道復旧を目的に
ふるさと納税を活用した寄付を募っています。

返礼品はありません。

それでも募集する理由は明確です。

「次の災害に備えるため」


■⑥ 山林火災は「他人事ではない」

近年、

  • 乾燥
  • 強風
  • 気温上昇

が重なり、山林火災は全国的に増えています。

一度発生すれば、

  • 消火は困難
  • 人も装備も消耗する
  • 復旧には長い時間と費用がかかる

という特徴があります。


■⑦ 市民ができる防災行動

山林火災に対して、私たちができることは決して少なくありません。

  • 登山・キャンプ時の火気管理
  • 乾燥期のたき火・野焼きの自粛
  • 消防・自治体の支a活動を知る
  • 余力があれば寄付という選択肢を考える

「備え」は現場だけでなく、社会全体で行うものです。


■⑧ まとめ|火が消えても、防災は終わらない

扇山の山林火災は、
表面上は落ち着きを見せています。

しかし、

  • 残り火との戦い
  • 装備の損耗
  • 次の災害への備え

は、今まさに進行中です。

火災が報道から消えた後こそ、
本当の防災が問われる。

それが、山林火災の現実です。

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