【防災士が解説】防災×子育て|学級閉鎖・子どもの体調不良に備える「休暇」と「給付制度」の現実的な使い方

インフルエンザや感染症が流行する季節、子どもの体調不良や学級閉鎖は突然やってきます。これは単なる家庭の問題ではなく、「生活防災」「家庭防災」の一部として捉える必要があります。被災地対応でも、家族の体調不良が仕事や生活継続に大きな影響を与える場面を何度も見てきました。


■① 学級閉鎖・体調不良は「想定内の災害」

感染症の流行による学級閉鎖や発熱は、もはや想定外ではありません。仕事を休めるか、収入が減らないか、誰が子どもを見るか――これらは災害時の生活継続と同じ構造です。

事前に制度を知っているかどうかで、対応の余裕は大きく変わります。


■② 「子の看護等休暇」は最優先で知っておく制度

育児・介護休業法に基づく「子の看護等休暇」は、小学3年生修了までの子どもを養育する労働者が利用できます。

年間5日(子どもが2人以上の場合は10日)まで取得可能
1日・半日・1時間単位で取得可能
病気・けがだけでなく、予防接種・健康診断にも使用可

2025年の法改正により、感染症による学級閉鎖入園・入学式、卒園式も対象に拡大されました。


■③ 有給か無給かは「会社次第」という現実

法律で保障されているのは「休む権利」であり、賃金の支払いは会社判断です。

実態としては、
・大企業:有給または一部有給
・中小企業:約6割が無給

無給の場合は収入が減るため、有給休暇を使うかどうかの判断が必要になります。これは「家計防災」の重要な分岐点です。


■④ 申請はシンプル、理由の詳細説明は不要

子の看護等休暇は、原則事前申請ですが、急な発熱などの場合は事後申請でも問題ありません。

取得理由の詳細説明は不要
取得を理由とした不利益扱いは禁止

もし取得を断られたり、時間単位取得を認められない場合は、制度の存在を穏やかに確認してもらうことが大切です。


■⑤ 自分が感染した場合は「傷病手当金」

子どもの看病中に自分も感染した場合は、健康保険の「傷病手当金」が使える可能性があります。

連続3日以上休業後、4日目以降に支給
標準報酬日額の約3分の2が支給
土日祝日も待機期間に含まれる

これは災害時の「収入断絶リスク」を下げる重要な制度です。


■⑥ ベビーシッター補助も立派な防災資源

どうしても仕事を休めない場合、ベビーシッターの活用も選択肢です。

企業主導型ベビーシッター利用支援事業では、
1日最大4,400円
月最大52,800円

の補助が受けられる場合があります。自治体独自の助成制度もあるため、平時に確認しておくことが重要です。


■⑦ 家庭防災として「制度の棚卸し」を

災害時と同じく、いざという時に制度を調べる余裕はありません。

・就業規則の確認
・自治体支援制度の把握
・有給残日数の把握

これらはすべて「生活を守る防災行動」です。


■⑧ 今日できる最小の防災行動

今週中に、
・会社の子育て関連休暇制度
・自治体の子育て支援ページ

この2つだけ確認しておきましょう。子どもの体調不良は止められませんが、慌てない備えは今日からできます。

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