多くの家庭に、自治体から配布されたハザードマップがあります。
しかし正直なところ、
「もらったまま見ていない」
「見てもピンとこない」
「実際にどう動けばいいか分からない」
こう感じている人がほとんどです。
それは、ハザードマップが悪いのではなく、
“使い方が途中で止まっている”だけです。
■① 配布されたハザードマップが役に立たない理由
現場経験から見ても、理由ははっきりしています。
・情報が広域すぎる
・自分の生活動線が反映されていない
・現地の雰囲気や危険が想像できない
・「で、私はどうするの?」が書いていない
ハザードマップは
判断の材料であって、
行動マニュアルではありません。
そのままでは、実際の避難判断には使いにくいのです。
■② 「役に立たない」を「使える」に変える発想
重要なのは捨てることではなく、
手を加えることです。
配布されたハザードマップを土台にして、
自分なりの情報を重ねていきます。
・自宅
・家族の集合場所
・よく通る道
・子どもの通学路
・高齢者がいる家
・夜は暗い場所
これを書き込んだ瞬間、
ハザードマップは「他人の地図」から
「自分の地図」に変わります。
■③ Google Mapsを重ねると一気に実戦向きになる
ここで有効なのがGoogle Mapsです。
・航空写真で高低差を確認
・ストリートビューで普段の光景を把握
・狭い道、ブロック塀、用水路を確認
これを印刷して、
紙のハザードマップに貼り付けます。
すると、
「災害時に危なくなりそうな違和感」
が自然と見えてきます。
■④ 被災地派遣で痛感した“地図の差”
被災地派遣やLOとして現地に入る際、
事前にGoogle Mapsで災害前の光景を確認していました。
災害後の現場で、
・どこが崩れたのか
・なぜ通れなくなったのか
・どこに近づいてはいけないのか
が分かるのは、
平常時の地図を頭に入れていたからです。
この差は、安全管理に直結します。
■⑤ マイマップは「完成させなくていい」
大事なことがあります。
マイマップは
完成させなくていいのです。
・気づいたら書き足す
・訓練のたびに直す
・家族で意見を足す
更新し続けることで、
地図と一緒に“判断力”が育ちます。
■⑥ 町内会・地区防災会議でこそ活きる
おすすめは、
配布されたハザードマップを持ち寄り、
・プロジェクターでGoogle Mapsを映す
・危険箇所をその場で書き込む
・避難経路を複数考える
という形での地区防災会議です。
「この道、夜は真っ暗だよ」
「ここ、水が溜まりやすい」
この会話そのものが、防災力です。
■まとめ
・配布されたハザードマップは未完成
・手を加えて初めて意味を持つ
・自分なりの工夫で“マイマップ”に変わる
被災地派遣・LO・元消防職員・防災士として言えます。
命を守ったのは、 印刷された地図ではなく、 頭の中にある“自分の地図”でした。
ハザードマップに、
あなた自身の一筆を加えるところから、
本当の防災は始まります。

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