災害への備えとして「備蓄が大事」という意識は、かなり広まりました。
しかし、被災地派遣やLOとして避難所運営に関わってきた現場では、こんな声を何度も聞いています。
「備蓄はしていたけど、期限切れだった」
「どこに何があるか分からなかった」
「結局、使えなかった」
防災で本当に差が出るのは、量より“管理”です。
特に注目したいのが、近年増えているローリングストック管理アプリの活用です。
■① ローリングストックが機能しない本当の理由
ローリングストックとは、
「普段使い → 使った分を補充 → 常に新しい備蓄を保つ」
という考え方です。
しかし実際には、
・賞味期限を忘れる
・家族構成が変わっても見直さない
・管理が面倒で続かない
こうした理由で、形だけの備蓄になっている家庭が非常に多いのが現実です。
被災地では、段ボールいっぱいの非常食がありながら、
「これ、もう食べられませんよね…」
と処分せざるを得なかったケースも少なくありませんでした。
■② アプリを使うと何が変わるのか
近年の備蓄管理アプリは、
「防災が苦手な人でも続く設計」
になっています。
主な機能は次の通りです。
- 備蓄品の登録(写真・バーコード対応)
- 賞味期限・使用期限の自動通知
- 家族人数に応じた必要量の可視化
- オフライン対応(災害時でも確認可能)
- ウィジェット表示で“見える化”
これは、現場で必要とされてきた機能そのものです。
■③ 実際に使われている備蓄管理アプリの特徴
現在、備蓄関連アプリには次のようなタイプがあります。
● 備蓄管理特化型アプリ
- 備蓄品を写真・バーコードで簡単登録
- 期限切れ前に通知
- 保管場所ごとの整理が可能
→ 食品・水・トイレ・電池など、家庭備蓄の基本管理に強い
● 防災情報+備蓄管理一体型アプリ
- 気象庁の防災情報をリアルタイム通知
- 安否確認機能
- 備蓄リストと連動
→ 災害時の「判断」と「備え」を同時にカバー
● 賞味期限管理アプリ(流用型)
- 食品バーコードを読み取り期限管理
- 防災専用ではないが、非常食管理に転用可能
→ 防災専用アプリが続かない人の入口として有効
■④ 被災地で実感した「管理できている家庭」の強さ
LOとして避難所に入った際、
比較的落ち着いて行動できていた家庭には共通点がありました。
- 備蓄内容を把握している
- 期限切れがない
- どこに何があるか家族全員が知っている
これは「意識が高い」からではなく、
仕組みで管理していただけ、というケースがほとんどです。
アプリによる管理は、
防災意識の高低に関係なく、
“行動の質”を底上げします。
■⑤ 行政があまり言わない本音
防災計画上、
「各家庭で備蓄してください」
とは言われますが、
“管理までできていますか”
までは、正直あまり踏み込めていません。
理由は簡単で、
管理は個人差が大きく、指導が難しいからです。
だからこそ、
アプリという“仕組み”に任せることが、
現実的で失敗しにくい防災になります。
■⑥ 今日からできる最小行動
防災は、一気にやろうとすると続きません。
今日できる最小の一歩はこれです。
- ① 備蓄管理アプリを1つ入れる
- ② 水・非常食・トイレだけ登録する
- ③ 通知をONにする
これだけで、
「備蓄が腐らない仕組み」が完成します。
■まとめ|備蓄は「量」より「続く仕組み」
防災備蓄は、
集めた時点では完成しません。
- 管理できるか
- 更新できるか
- 家族で共有できるか
ここまで含めて、初めて“使える備え”になります。
元消防職員・防災士として断言します。
ローリングストックは、アプリを使った家庭から強くなる。
備える力は、
道具ではなく、仕組みで決まります。

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