首都直下地震の被害想定が更新され、最悪の場合、建物約11万2000棟が全壊、死者1万8000人、災害関連死は最大4万1000人にのぼると示されました。
数字は冷静ですが、現実は過酷です。
大規模災害では、
公助(行政の支援)だけでは追いつきません。
だからこそ今、重要なのが
「共助」と「カラフル防災」という考え方です。
■① 公助だけでは限界がある
救急車の数には限りがあります。
同じように、
災害時の行政支援も同時多発的な被害には限界があります。
発災直後に命を守れるのは、
・自助(自分を守る力)
・共助(地域で助け合う力)
です。
防災士として強く感じるのは、
「最初の数十分は地域の力がすべて」という現実です。
■② 共助とは何か
共助とは、
地域やグループで助け合うこと。
・声を掛け合う
・安否を確認する
・応急手当をする
・物資を分け合う
派手ではありませんが、
これが命の差になります。
■③ 都市部で失われつつあるつながり
都市部では、
・隣人の顔を知らない
・防災訓練に参加しない
・マンション内で交流がない
という地域も少なくありません。
しかし大地震は、
「知らない人同士」を一瞬で“共同体”にします。
準備しているかどうかが分岐点になります。
■④ 助け合いのプラットフォーム構想
神奈川県茅ヶ崎市では、
「みんなの防災プロジェクト」として、
地域内の
・スキル(元看護師など)
・モノ(備蓄・発電機など)
・場所(空きスペース)
を可視化する仕組みづくりが進められています。
病院がパンクしても、
地域内で応急手当てができる。
避難所が窮屈でも、
子どもが遊べる場所をマッチングできる。
公助を待たずに助け合う仕組みです。
■⑤ カラフル防災という発想
防災士・古島真子さんが提唱するのが
「10人10色のカラフル防災」。
家族構成も、
生活リズムも、
居住エリアも違う。
だから防災も一律ではなくていい。
例えば、
・車移動が多い人は車内備蓄を厚くする
・海沿いは津波重視
・山間部は土砂災害重視
一人ひとり違っていい。
それが現実的な防災です。
■⑥ 防災士から見た実際に多かった失敗
現場で多かったのは、
「誰かが助けてくれると思っていた」
という思い込みです。
大規模災害では、
行政も被災者です。
自律型避難――
自分で判断し、動く力。
これが共助の前提になります。
■⑦ 行政が言いにくい本音
行政は全力で支援します。
しかし、
「全員を即座に守れるわけではない」
これが現実です。
だからこそ、
地域の底力が必要です。
■⑧ 共助は日常から始まる
共助は、
災害時に突然生まれるものではありません。
・挨拶
・地域イベント
・顔の見える関係
これが土台になります。
防災は“非常時の技術”ではなく、
“日常の関係性”です。
■まとめ|共助は未来への投資
結論:
共助は「最後の手段」ではなく「最初の防災力」。
防災士として確信しているのは、
命を守るのは、
制度だけではなく“人と人のつながり”だということ。
カラフル防災。
それぞれ違っていい。
その多様性こそが、
災害関連死を減らす力になります。
出典:内閣府 首都直下地震被害想定(2025年改定)

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