【防災士が解説】“油が跳ねて火がつきそうになった時”の正しい対処法|発火を未然に防ぐための“秒でできる動作”

揚げ物中、油が「ボッ」と跳ねて慌てた経験はありませんか?
この瞬間が、天ぷら油火災の発火直前ゾーン です。

年末は揚げ物が増え、冷凍食品・水分の残った食材を投入することで、
“火がつきかける事故”が最も多くなります。

火がつきそうになった“その瞬間”にできる、
最も安全で効果的な行動をまとめます。


■ 1. 火がつきそうと感じたら“まず火を止める”

揚げ物の危険度は 火力 × 油温 で決まります。

  • 強火のまま揚げる
  • 温度管理なし
  • 冷凍食品を一気に入れる

これらは油温が一気に上昇し、
“発火寸前”の状態になります。

火を止めるだけで、
火災の9割を防げます。


■ 2. 食材を投入する前に“水分を徹底的に取る”

水分が原因で油が跳ね、
大きく跳ねれば火が上がることも。

  • 冷凍食品は霜を落とす
  • 野菜はキッチンペーパーで水気を取る
  • 海老・魚はキッチンタオルで押さえる

水分チェックは揚げ物の基本。


■ 3. 鍋の縁についた油は“燃えやすいポイント”

鍋のフチに油が付着していると、
炎が上がったときにそこから一気に広がることがあります。

  • 調理前に鍋の外側を拭く
  • フタの裏を拭いておく
  • コンロ周りに油を落とさない

油汚れ=発火ポイント。


■ 4. 揚げ物中に“泡が荒くなる”のは危険信号

次の変化は、発火直前の典型的なサイン。

  • 泡が荒くなる
  • 油が静かに波打つ
  • 匂いが急に強くなる

このタイミングで火を止めると安全。


■ 5. 大きく跳ねたら“鍋から距離を取る”

火がつきそうな跳ね方をしたら、
必ず一歩後ろに下がる。

  • 顔面火傷
  • 手の甲の火傷
  • 髪への引火

いずれも非常に多い事故。
“距離を取る”は最も簡単で最も安全。


■ 6. 揚げ物中は“絶対に覗き込まない”

油の跳ねは、上方向に最大1m近く飛ぶことがあります。

  • 揚げ物を顔の近くで確認
  • 火の上に顔を出す
  • 箸で油をかき混ぜすぎる

覗き込むクセのある人は要注意。


■ 7. 危険を感じたら“フタの準備”

フタを近くに置いておくだけで、
初期消火の成功率が圧倒的に上がる。

  • 鍋の横に常にフタ
  • 濡れたフタはNG(跳ねるため)
  • 使いたい瞬間にすぐ使える配置

フタは油火災の“命綱”。


■ まとめ

油が跳ねて火がつきそうになったら、
“初動がすべて”です。

  • まず火を止める
  • 食材の水分をしっかり取る
  • 鍋の縁の油を拭く
  • 泡の変化に注意
  • 一歩下がって距離を保つ
  • 覗き込まない
  • すぐ使えるフタを常備

この7つだけで、
油が跳ねた瞬間の“発火リスク”を劇的に下げられます。

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