【元消防職員・防災士が解説】防災×避難所改善策|命をつなぐための具体的アップデート

地震や豪雨のあと、
命が助かったその先にあるのが「避難所生活」です。

しかし現実は――

・感染症の拡大
・トイレ問題
・プライバシー不足
・持病悪化
・ストレス増大

これらが原因で起きる「災害関連死」。

命を守るだけでなく、
命を“つなぐ”避難所へ。

今、避難所は大きな転換点にあります。


■① なぜ避難所改善が必要なのか

災害関連死の多くは、

・衛生環境の悪化
・精神的負担
・医療支援の遅れ

から発生します。

内閣府の指針でも、
トイレ・生活スペースの改善は重点項目です。

避難所は「一時しのぎの場所」ではなく、
「命を維持する場所」へ変わらなければなりません。


■② 衛生・トイレ環境の強化

避難所で最も深刻なのは、
トイレ問題です。

改善の柱は次の通り。

・携帯トイレやマンホールトイレの備蓄(目安:20人に1基)
・定期換気・消毒の徹底
・マスク・消毒液の管理
・生理用品の配布と女性担当体制

私が被災地派遣で経験したのは、
トイレ環境が悪化すると
避難所全体の雰囲気が急激に悪くなるという現実です。

臭気や不衛生は、
感染症だけでなく心理的疲労を招きます。

トイレ改善は、
命をつなぐ最重要項目です。


■③ プライバシー確保とゾーニング

体育館での雑魚寝は、
精神的負担が極めて大きい。

必要なのは、

・パーティション設置
・女性専用エリアの確保
・男女別トイレ・更衣室
・夜間照明の強化
・床生活から区画化・個室化への移行

視線を遮るだけでも、
安心感は大きく変わります。

能登半島地震対応でも、
区画化の重要性は強く指摘されました。


■④ バリアフリーと要配慮者支援

高齢者や障がいのある方にとって、
避難所は非常に過酷です。

改善策として、

・段差解消
・車椅子対応通路
・医療機関連携
・巡回活動
・運営マニュアル整備

が不可欠です。

LOとして自治体支援に入った際、
「誰が要配慮者か分からない」
という混乱が起きたことがあります。

平時からの名簿整備と連携体制が、
命をつなぐ鍵になります。


■⑤ DX活用で混乱を減らす

近年は、

・デジタル受付
・情報共有アプリ
・物資管理の電子化

などが導入され始めています。

行列緩和や情報伝達ミス削減に有効です。

防災DXは、
単なる効率化ではなく
「命のロスを減らす」手段です。


■⑥ 避難所は変えられる

「仕方がない」

で止まっていた避難所。

しかし、

・トイレ基準の明確化
・区画整備
・衛生管理徹底
・医療連携強化

これらを積み重ねれば、
確実に前進します。

防災に絶対の正解はありません。

あるとすれば、
臨機応変に改善を続けること。

命を守る対策から、
命をつなぐ環境へ。

避難所は、
まだ進化できます。


【出典】
内閣府「避難所運営ガイドライン」

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