【防災士が解説】雪停電の備えは順番が9割|暖房・充電・食料の優先度(迷ったらこの順)

はじめに

大雪の停電は、やることが多すぎて判断が散らばりがちです。
でも現場で差が出るのは「物の多さ」ではなく、優先順位の正しさでした。

結論:雪停電はこの順番で動くと崩れにくいです。

1) 安全(火災・CO中毒)
2) 断熱(暖房より先)
3) 明かり(転倒・ケガ防止)
4) 充電・情報(不安を増やさない)
5) 食料・水(体力を落とさない)


■① 最優先は「暖房」ではなく安全(火災・一酸化炭素)

停電直後、人は寒さで焦って火を使います。
ここで事故が起きると、雪の中で二次避難になり一気に詰みます。

必ず最初に決めること:

  • 石油ストーブ等を使うなら「換気ルール」を先に設定
  • 布団・カーテン・衣類など可燃物から距離を取る(目安1m以上)
  • 就寝中は火気を使わない(寝落ちが一番危険)
  • 発電機は屋内・車内・テント内で使わない(CO中毒リスク)

被災地でも「寒さを何とかしたい」が先行して、換気不足・火の不始末が起きやすい場面を何度も見ました。
雪停電は“暖を取るほど危険が増える”瞬間があるので、まず安全側に固定します。


■② 暖房より「断熱」を優先(暖める前に逃がさない)

停電時の基本は、部屋を温めるより熱を逃がさないことです。

最初にやる断熱セット:

  • 家族は1部屋に集まる(体温+熱源を集中)
  • カーテンを閉める/窓際に毛布を1枚追加
  • 床に段ボール・マット・毛布を敷く(底冷え対策)
  • 玄関や廊下の扉を閉め、冷気の通り道を遮断

現場でも、断熱ができた家庭ほど「暖房が弱くても耐えられる」傾向が明確でした。
断熱が先に決まると、暖房・燃料の消費も遅くなります。


■③ 次は「明かり」(転倒・ケガが最初に増える)

停電直後に増えるのが転倒です。特に高齢者は危険度が上がります。

  • まず足元灯(懐中電灯)を出入口・トイレ動線に置く
  • 手持ちは両手が塞がるので、可能ならランタン型を優先
  • ローソクは火災リスクが上がるので基本は避ける(使うなら転倒しない場所で短時間)

「暗い」と人は不安になり、無駄に動いて消耗します。
明かりが確保できるだけで、家の中が落ち着きます。


■④ 充電・情報は「節電ルール」を決めた人が勝つ

充電は量より運用です。
停電が長引くほど、情報の有無がメンタルを左右します。

  • スマホは低電力モード+画面暗め+不要通知OFF
  • 家族で「情報担当」を1人決める(全員がSNSで消耗しない)
  • 充電は“回す”発想(誰かが100%ではなく、全員が最低限)

被災地で一番しんどいのは「情報空白」です。
情報があると、人は判断できて眠れます。


■⑤ 食料は「温かさ」より「食べやすさ」を優先(体力を落とさない)

雪停電は「温かいものを食べたい」欲求が強くなります。
でも最初に必要なのは、身体を保つ“確実に食べられる物”です。

優先順:

  • そのまま食べられる(常温OK)の主食・たんぱく質
  • 水分(温かい飲み物は後でいい)
  • 次に、カセットコンロ等で温める(安全・換気が前提)

「温かい食事を作る」に寄せすぎると、火災・CO・燃料枯渇で崩れます。
体力維持が目的なら、まず“確実に食べられる”方が強いです。


■よくある誤解(雪停電で多い)

■誤解:暖房を最優先で強く回せば安心

→ 断熱が先。断熱がないと燃料も体力も削れます。

■誤解:スマホは各自が好きに使えばいい

→ 情報担当を決めないと、全員がバッテリーと心を消耗します。


■やらなくていい防災(切っていい)

  • 停電直後に買い出しへ走る(転倒・事故・渋滞リスク)
  • SNSを追い続ける(バッテリーとメンタルが削れる)
  • 全部を完璧に揃えようとする(順番が崩れる)

■今日の最小行動(1分で“順番”を仕込む)

  • 家族で「停電の順番メモ」を冷蔵庫に貼る(安全→断熱→明かり→充電→食料)
  • ランタン(または懐中電灯)をトイレ動線に1つ固定
  • 石油ストーブ等を使うなら「換気ルール」と「就寝中禁止」を先に決める

まとめ

雪停電は、備えの量より「順番」が9割です。

1) 安全(火災・CO)
2) 断熱(暖房より先)
3) 明かり
4) 充電・情報
5) 食料・水

迷ったらこの順で動けば、崩れにくいです。


出典
NITE(製品評価技術基盤機構)「一酸化炭素中毒の事故(石油ストーブ等はこまめに換気・就寝時は使用しない等)」
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/mailmagazin/2022fy/vol423_230228.html

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