【防災士が解説】断水で備蓄水が足りず脱水症状|現場で多かった失敗と「水の使い方」優先順位

はじめに

断水は「困る」では済みません。
水が足りないと、人は確実に弱ります。

被災現場で実際に多かったのは、

  • 飲み水が足りない
  • トイレを我慢して飲まない
  • 体調が悪化して動けない
  • 高齢者や子どもが先に崩れる

という流れです。

この記事では、

  • 断水で起きる脱水の失敗パターン
  • 脱水を早く見抜くサイン
  • 水が少ない時の「使い方の順番」

を整理します。


■① 結論|断水時は「節水」より「脱水防止」が最優先

水が少ないと人は節約したくなります。
でも、やってはいけないのはこれです。

飲む水を削ること。

飲水を削ると、判断力・体力が落ち、事故が増えます。
水はまず「体に入れる」ために使います。


■② 現場で多かった“備蓄水不足”の失敗

1)飲み水を節約しすぎて脱水

トイレが心配で飲まない。
→ 頭痛・めまい・立ちくらみ・倦怠感が出て、動けなくなる。

2)暑さ・作業で汗をかいても補給しない

片付け、給水行列、移動。
→ 思った以上に水分が減る。

3)食事が塩分・糖分寄りで水が必要になる

カップ麺・味の濃い非常食を食べて、喉が渇く。
→ さらに水が減る。

4)子ども・高齢者の「飲みたくない」を放置

本人が我慢しているだけ。
→ 気づいた時には症状が進んでいる。


■③ 脱水は「自覚が遅れる」から危険

脱水は、進むほど判断力が落ちます。
つまり、本人が気づきにくい。

特に危険なのは、

  • 高齢者(喉の渇きが弱い)
  • 子ども(体が小さく進行が早い)
  • 持病がある人
  • 暑い時期の断水

です。


■④ 脱水のサイン(早めに拾う)

次のうち2つ以上あれば、黄色信号です。

  • 口が乾く/唇が乾く
  • 立ちくらみ、ふらつき
  • 尿が少ない/色が濃い
  • 頭痛、だるさ
  • ぼーっとする、イライラ
  • 皮膚が乾く
  • 脈が速い感じがする

「トイレが少ない=節水できた」ではありません。
脱水のサインです。


■⑤ 水が少ない時の「使い方」優先順位(これで迷わない)

水が限られる時は、順番が9割です。

優先①:飲む(生命維持)

最優先。ここは削らない。

優先②:薬を飲む・口をゆすぐ(健康維持)

持病持ちや高齢者は特に重要。

優先③:最低限の衛生(手指・口・デリケートゾーン)

感染症と皮膚トラブルを防ぐ。

優先④:食事(調理水)

食べ方を工夫して水使用を減らす。

優先⑤:洗い物・掃除

ここは後回し。使い捨てや拭き取りで代替。


■⑥ 水を“減らさない食べ方”の現実解

1)味の濃い食品を連続で食べない

塩分が多いと水が必要になります。

2)水が要る食品を避ける

  • カップ麺(汁を捨てられない状況だと水が減る)
  • 乾パン(喉が渇く)
  • 甘い菓子パン連続(喉が渇く)

3)水なしで食べられる物を中心にする

  • レトルト(常温OK)
  • 缶詰
  • ゼリー飲料
  • 栄養補助食品

■⑦ トイレが不安で飲めない人への対処

断水時、トイレ不安で飲まない人が増えます。
この心理が脱水を作ります。

対策はシンプルです。

  • 簡易トイレを早めに設置して「使える安心」を作る
  • トイレ我慢を前提にしない(体調が先に崩れる)
  • 夜間用に“最小トイレセット”を決める

トイレの安心は、水分補給の安心に直結します。


■⑧ 被災地経験で感じたこと|水不足は「家の中」で静かに悪化する

被災地では、水の配布があっても

  • 行列が長い
  • 運べない
  • 取りに行けない
  • 家族の分が確保できない

という家庭が普通にありました。

特に高齢者宅は、
「家で静かに脱水が進んでいた」ケースが目立ちます。

水は、足りないと気づいた時点で遅いことがあります。
だからこそ、使い方の順番と、早めの補給計画が重要です。


■⑨ やらなくていい防災(断水編)

  • 飲み水を削って耐える
  • トイレが不安だから飲まない
  • 味の濃い食事を続ける
  • “水を残すために体を壊す”判断をする

水は「残す」より「生かす」ために使います。


■⑩ 今日の最小行動(10分でできる)

  • 家にある水の本数を数える
  • 家族人数で「1日分=何本か」を把握する
  • 簡易トイレを1箱だけでも用意する(飲める安心が増える)

まとめ

断水時の失敗は、

飲み水を削る → 脱水 → 判断力と体力が落ちる → 事故と体調不良が増える

という流れです。

最優先は「飲む」。
次に「薬・口・最低限の衛生」。

水が少ないほど、順番が命を守ります。

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