【防災士が解説】災害時に“つながりやすいキャリア”は地域で変わる

大手・楽天・格安SIMまで整理|生活圏での判断が最優先

地震・豪雨・停電。
災害時に最も不安を増幅させるのは「家族と連絡が取れないこと」です。

防災士として被災地支援に入った経験から言えるのは、
全国最強キャリアは存在しないという現実です。

重要なのは、

「あなたの生活圏で、どの回線が安定するか」

この記事では、各社の公開情報・一般的な評価・防災現場での体感を踏まえ、
地域差を前提とした“通信防災の設計”を整理します。


■① 結論|通信の強さは「生活圏4点」で決まる

通信の安定性は、全国順位では測れません。

まず確認すべきは次の4地点です。

  • 自宅(寝室・浴室も含む)
  • 職場
  • 子どもの学校
  • 実家や想定避難先

この「生活圏4点」が安定していれば、
災害時の連絡途絶リスクは大きく下げられます。


■② 大手3キャリアの傾向(地域差が大きい点に留意)

総務省資料や各社公開情報、基地局数、一般的評価、防災現場経験から、
以下の傾向が指摘されています(※あくまで一般的傾向であり、地域差が大きい)。

● docomo(ドコモ)

  • 基地局数が多い
  • 地方・山間部までエリアカバーが広いとされる
  • 災害対策の歴史が長い

※ただし地域・地形によって差があります。


● au(KDDI)

  • 都市部で安定性評価が高いという声が多い
  • 2022年の通信障害を受け、監視・復旧体制の強化を進めている

大規模障害以降、体制面の見直しが進められています。


● SoftBank

  • 都市部や一部沿岸部で強いエリアもある一方、地域差も大きい

同一県内でも強弱が分かれるケースがあります。


※総務省は「各社とも災害対策を強化している」と中立的に示しています。
特定キャリアが常に優位とは限りません。


■③ 楽天モバイルの位置づけ

● 楽天モバイル

  • 近年エリア拡大が進んでいる
  • 自社回線エリアとパートナー回線エリアで状況が異なる

都市部では安定する地域も増えていますが、
山間部や郊外では事前確認が安心です。


■④ 格安SIM(MVNO)はどう考える?

代表例:

  • ahamo(docomo回線)
  • UQモバイル(au回線)
  • Y!mobile(SoftBank回線)
  • LINEMO
  • IIJmio
  • mineo
  • povo

混雑時、とくにMVNOでは速度低下が起こりやすいと指摘されています。

防災の観点では、

  • メイン回線:大手キャリア
  • サブ回線:格安SIMや別キャリア

という分散設計が現実的です。


■⑤ よくある誤解|「大手なら絶対つながる」

「docomoだから安心」
「大手なら絶対大丈夫」

実際には、どのキャリアでも災害の種類や場所によって
つながりにくくなる可能性があります。

理由は:

  • 基地局の停電
  • 通信集中
  • 地形影響
  • 設備被災

だからこそ、生活圏での実測が最重要です。


■⑥ 2日でできる家庭内通信診断

● 1日目

平日昼・夜に短文送信テスト。

● 2日目

寝室・浴室・玄関前でも確認。

見るべきは:

  • 圏外表示の有無
  • 送信成功率
  • 途切れにくさ

速度より「安定性」です。


■⑦ 現場で多い“通信パニック”

災害現場で頻発するのは、

  • 圏外と表示されて外へ出てしまう
  • 電波を探して危険区域へ移動する
  • バッテリー切れで孤立する

通信は重要ですが万能ではありません。


■⑧ 最重要|「連絡不能前提」の設計

本当に命を守るのは、

  • 連絡が取れないときの集合場所
  • 「○時間は動かない」ルール
  • 短文テンプレの共有

例:

  • 「無事。学校待機中」
  • 「避難所○○。動かない」

通信不能前提の設計が、家族を守ります。


■⑨ 今日からできる通信防災3ステップ

  1. 生活圏4点の通信チェック
  2. 家族でキャリア分散を検討
  3. サブ回線(eSIM含む)を検討

■結論|全国最強ではなく、家庭最強を作る

大手・楽天・格安SIMにはそれぞれ特性があります。

しかし重要なのは、

生活圏で実測し、分散設計し、連絡不能前提で備えること。

通信は命綱。
だからこそ、感覚ではなく設計で守る。


■参考資料

  • 総務省「災害時に役立つ!通信確保のための対応ガイド」
  • 「大規模災害時の通信サービス確保方針」(令和6年)
  • 電気通信事業者協会(TCA)災害対応ページ

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