【防災士が解説】子どもを守る災害時ルール|学校・自宅・外出先で“迷わない”親の判断基準

はじめに

災害のとき、親が一番つらいのは「子どもが自分の目の届かない場所にいる」状況です。
特に学校・習い事・通学路・学童など、居場所が複数ある家庭ほど迷いが増えます。

でも、子どもの安全は“気持ち”より“ルール”で守れます。
現場目線で言うと、親が迷って動き回るほど、家族全体の安全は下がりやすいです。

この記事では、子どもを守るための「家庭ルール」を、シーン別に決め切ります。


■① 結論|子どもを守るのは「迎え」ではなく“家庭ルールの固定”

結論はシンプルです。

  • 災害時は「迎えに行く/行かない」を条件で固定する
  • 子どもには「動かないルール」を先に教える
  • 親は「合流ルール」で会いにいく

安全は“早さ”ではなく“迷いの少なさ”で決まります。


■② よくある失敗|親の「迎えたい」が危険を増やす

災害時に多い失敗パターンはこれです。

  • 情報が少ないまま迎えに出てしまう
  • 渋滞・冠水・落下物で途中停止
  • 結果として「親も子も不安定」になる

子どもが心配な気持ちは当然です。
ただ、親が危険な移動をすると、子どもは“守る人”を失うリスクが上がります。

だから迎えは「感情」ではなく「条件」で決めます。


■③ 学校にいるとき|最優先は「学校の引き渡しルールに従う」

子どもが学校にいる場合、基本はこれです。

  • 学校は子どもを守る仕組みがある
  • 引き渡しは“安全確認と管理”のために行われる
  • 親が勝手に動くと、混乱が増える

家庭がやるべきことは1つ。

  • 学校の引き渡しルールを事前に確認しておく

これだけで当日の迷いが激減します。


■④ 迎えに行く/行かないの判断基準|家庭で決める「3つの条件」

迎えに行く条件(例)

  • 学校から引き渡し要請が出た
  • 徒歩で安全に到達できる(危険が少ない)
  • 日没前に往復できる(夜間リスクを避ける)

迎えに行かない条件(例)

  • 冠水・強風・落下物で移動が危険
  • 車移動が渋滞確実で途中停止しやすい
  • 余震・土砂・河川増水など二次災害が強い

この条件を“紙に書いて固定”するだけで、家族の判断がブレません。


■⑤ 子ども本人に教える「3つの約束」|これだけで命が守れる

親がいない状況で子どもが守るべき約束は3つです。

1) 勝手に移動しない(先生・大人の指示を優先)
2) ひとりで帰らない(通学路の危険を避ける)
3) 名前・住所・連絡先を言える(助けを呼べる)

「大丈夫?」ではなく、短い言葉で“行動”を覚えさせます。


■⑥ 自宅にいるとき|地震・台風で“親がやること”は違う

地震のとき(揺れた直後)

  • 落下物から離れる
  • 火気を止める(無理なら後回し)
  • 玄関を開けて逃げ道確保
  • 子どもを集めて“安全地帯”へ

台風・豪雨のとき(時間がある)

  • 早めに外出を止める
  • 窓・雨戸・飛散防止を先にやる
  • 避難が必要なら“暗くなる前に”動く

子どもがいる家庭は、とにかく「夜に判断しない」方が安全です。


■⑦ 外出先・習い事・学童|「第二の居場所」ほどルールが必要

子どもの居場所が複数ある家庭は、次を決めるだけで強くなります。

  • 習い事・学童の緊急時ルール(引き渡し方法)
  • 連絡が取れないときの待機方針(子どもは動かない)
  • 合流場所(第一集合・第二集合)

“連絡が取れない前提”でルールを作るのがポイントです。


■⑧ 子どもの不安を減らす声かけ|正解は「短く・具体的」

不安を増やす声かけ

  • 「落ち着いて!」「大丈夫だから!」(具体がない)

不安を減らす声かけ

  • 「今はここにいる。次はこれをする。」
  • 「先生の言う通りにする。ひとりで動かない。」
  • 「会う場所はここ。必ず会える。」

子どもは“情報”より“次の行動”があると落ち着きます。


■⑨ やらなくていい防災|子どもを守るつもりで危険になる行動

  • 連絡が取れるまで探し回る
  • 車で迎えに行くのが当たり前と思い込む
  • 家族全員が揃うまで避難を遅らせる
  • 子どもに長い説明をしてしまう

守る行動は「迷いを減らす」「動きを固定する」ことです。


■⑩ 今日の最小行動|“家庭ルール”を3行で完成させる

今日やることはこれだけで十分です。

1) 迎えに行く条件を1行で決める
2) 子どもの約束(動かない/帰らない/言える)を短文で決める
3) 合流場所を2つ決める(第一集合・第二集合)

これで、災害当日の親の判断が軽くなります。


まとめ

子どもを守るのは、装備より「家庭ルール」です。

  • 学校の引き渡しルールを優先する
  • 迎えに行く/行かないは条件で固定する
  • 子ども本人の約束は3つで十分
  • 外出先ほどルールが必要
  • 声かけは短く具体的に
  • 今日の最小行動で“迷わない家族”になる

子どもを守るために一番必要なのは、災害時に迷わない仕組みです。

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