【防災士が解説】2月〜春の寒暖差に備える「調整力ジャケット」という発想

「真冬のダウンは暑い。でも薄手だと朝晩が寒い。」

2月中旬から春先にかけて、
この悩みは多くの人が感じます。

実はこの“寒暖差”、
防災の視点でも重要なリスクです。

今日は、防災の観点から
「調整力ジャケット」という考え方を整理します。


■① 2月〜春は“寒暖差リスク”が最大化する時期

この時期の特徴は、

・朝晩は0〜5℃前後(地域によっては氷点下)
・日中は15〜20℃近くまで上昇する日もある
・強風・小雨・湿雪が混在

特に西日本では
日中は春の陽気でも朝晩は冷え込む日が多い。

一方、東北・北海道では
朝晩0℃以下になることも珍しくありません。

気象庁も、季節の変わり目は
寒暖差・強風・雪解けなど複合リスクが高まると注意喚起しています。

寒暖差は、

・自律神経の乱れ
・血圧変動
・体調不良
・判断力低下

を引き起こします。


■② 能登半島地震が示した“夜の冷え”

2024年の能登半島地震では、
日中は比較的穏やかな日でも
夜間の冷え込みが避難所環境を悪化させました。

低体温症リスクや体調悪化が報告され、
「昼は大丈夫」という油断が
夜間の体力低下につながった事例もあります。

私は被災地派遣(LO)経験がありますが、
体調を崩しやすい人ほど
衣類の調整ができていないケースが多い。

“重ねられる人”は崩れにくい。

これは現場の実感です。


■③ 正解は「暖かさ」ではなく「調整力」

この時期に必要なのは
分厚いダウンではありません。

必要なのは、

・防風性
・撥水性
・レイヤリングしやすい設計

特に重要なのは「防風」。

体感温度は風で大きく下がります。

耐水圧の高さより、
まず“風を止められるか”が優先です。


■④ ゴアテックス系シェルは有効か?

防水・防風・透湿を兼ね備えた
ゴアテックス系シェルは有力な選択肢です。

ただし、
必ずしも高価格モデルが必要とは限りません。

高密度ナイロンやソフトシェルでも、
防風・撥水が確保できれば十分な場面は多い。

大切なのは、

「中を抜き差しできる余地があるか」

一枚完結は失敗しやすい。


■⑤ レイヤリングは避難所の基本

合理的な組み合わせは、

・薄手インナー
・フリース
・軽量ダウンベスト
・防風シェル

アウターは固定し、
中で調整する。

これはアウトドアの基本であり、
避難所環境でも有効です。

被災地支援の経験上、
寒暖差が激しい現場では
重ね着対応できる人ほど安定します。


■⑥ 色と丈は「動きやすさ」と「心理安定」

落ち着いた色(ネイビー・オリーブ・グレーなど)は、

・街でも自然
・避難時も悪目立ちしない
・心理的に落ち着く

丈はヒップが少し隠れる程度。

短すぎると冷え、
長すぎると動きにくい。

“動けること”は防災の基本です。


■⑦ 春は「油断」が最大の敵

2月後半〜春は、

・花粉
・強風
・融雪
・寒暖差

が重なります。

「今日は暖かいから大丈夫」

その判断が、
夜間の冷え込みで崩れます。

衣類で守れる部分は、
事前に守る。

これは“判断を軽くする知識”です。


■⑧ まとめ|春ジャケットは「余裕」で選ぶ

2月〜春の正解は、

・防風
・撥水
・レイヤリング対応

そして、
地域差を意識すること。

西日本と北日本では朝晩の冷えが違います。

防災は特別な装備だけではありません。

普段着の中に
「調整できる余裕」を仕込むこと。

それが、
体を守り、判断力を守る備えです。


【出典】
気象庁「季節の天候の特徴・寒暖差に関する解説」
https://www.jma.go.jp/

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