【防災士が解説】減収減益でも「稼ぐ力」は落ちない?石油業界の底力を“防災目線”で読む

防災

石油関連企業で減収減益が相次ぐ一方、通期では「稼ぐ力」に自信を示す──。
このニュースを防災の視点で見ると、それは単なる業績の話ではありません。

災害時に本当に問われるのは、「どれだけ儲けたか」ではなく、
どれだけ止まらずに供給を続けられるかです。

燃料は、救助・医療・物流・発電・給水の“背骨”。
平時に体力を蓄えている企業ほど、非常時に社会を支える力が強い。
今回は、その構造を防災目線で整理します。


目次

  • ■① 「稼ぐ力」は防災では“持久力”
  • ■② 災害直後に起きる“燃料の空白”
  • ■③ 石油が強い理由:運べる・貯められる・即使える
  • ■④ 供給網の強さ=社会の耐災害力
  • ■⑤ 減収減益でも崩れない企業体質とは
  • ■⑥ 家庭でできる現実的な燃料備え
  • ■⑦ 優先順位を決めるだけで現場は安定する
  • ■⑧ 不安を減らす備えは「量」より「回す」

■① 「稼ぐ力」は防災では“持久力”

防災で重要なのは、最大効率ではなく止まらないことです。

企業で言えば、

  • 設備の維持更新
  • 備蓄の確保
  • 複数ルートの物流網
  • 非常時対応の訓練

これらはすべて“利益の余力”がなければ続きません。
つまり「稼ぐ力」とは、防災の言葉で言えば持久力です。


■② 災害直後に起きる“燃料の空白”

大規模災害では、燃料需要が急増します。
同時に、道路寸断・停電・港湾停止で供給が滞る。

この瞬間に起きるのが“燃料の空白”。

現場では、

  • 発電機を回したい
  • 救急搬送を続けたい
  • 給水車を走らせたい

しかし燃料が届かなければ、人がいても動けない状態になります。

【被災地派遣・LOとしての経験】でも、燃料確保が早く整った地域は、
避難所運営も医療支援も安定しました。

燃料は裏方ですが、復旧速度を決める核心です。


■③ 石油が強い理由:運べる・貯められる・即使える

災害初期で石油系燃料が強い理由は3つ。

  • 運べる(タンクローリー・ドラム)
  • 貯められる(一定期間備蓄可能)
  • すぐ使える(発電機・車両・暖房)

電力は復旧を待つ必要がありますが、
燃料は「持ち込める」のが決定的な違い。

この“即応性”が初動対応を支えます。


■④ 供給網の強さ=社会の耐災害力

石油は、
原油 → 精製 → 油槽所 → SS → 消費者
という長いチェーンで成り立っています。

どこかが止まれば全体が詰まる。

だからこそ、

  • 拠点の耐震化
  • 非常用電源整備
  • 物流の複線化
  • 契約・在庫の工夫

こうした“見えない投資”が重要です。

企業の体力は、社会全体の耐災害力に直結します。


■⑤ 減収減益でも崩れない企業体質とは

業績は市況に左右されます。
しかし防災目線で見るべきは「一時的な数字」ではなく、

  • 設備更新を止めていないか
  • 備蓄を削っていないか
  • 人材育成を続けているか

という“基礎体力”。

災害は必ず来る変動です。
変動に耐える設計をしている企業は、非常時にも強い。


■⑥ 家庭でできる現実的な燃料備え

家庭はやりすぎないことが大切です。

  • 車:半分以下にしない運用
  • カセットボンベ:使いながら回す
  • 灯油:古くなる前に使い切る

ポイントはローリングストック

特別な備えより、日常に組み込む方が壊れません。


■⑦ 優先順位を決めるだけで現場は安定する

災害時に混乱が起きるのは「不足」より「未決定」。

  • 何を最優先するか
  • どこに集約するか
  • 何日持たせるか

これを平時に決めておくだけで、現場の不安は激減します。

燃料は“量”より“設計”です。


■⑧ 不安を減らす備えは「量」より「回す」

備えは積み上げるほど安心…とは限りません。

  • 半分切ったら給油
  • 月1点検
  • 使ったら補充

淡々と回せる仕組みが、
壊れない防災を作ります。


■まとめ

石油業界の「稼ぐ力」は、
非常時に燃料供給を止めない“社会の体力”でもあります。

企業の持久力は、社会の安全網。
家庭の持久力は、家族の安心。

防災は「たくさん持つ」ことではなく、
止まらない仕組みを持つことです。


出典:Yahoo!ニュース(ニュースイッチ)
減収減益相次ぐが…石油関連の通期、「稼ぐ力」に自信の理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/5810ec8d943468122fc97d3427bed734bfde1992

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