災害対応は「現場で何ができるか」だけでなく、「平時にどこまで準備していたか」で差がつきます。ドローンは、被災状況の把握・捜索・物資搬送・インフラ点検など、現場の意思決定を速くする道具です。
Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2026は、最新機材と運用ノウハウが集まる場。防災の観点から、出展・見学で“何を持ち帰るべきか”を整理します。
■① 開催概要(まず押さえるべき事実)
Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO 2026は、2026年6月3日(水)〜6月5日(金)に幕張メッセで開催予定です。
出展申込の締切は2026年3月13日(金)と案内されています。
災害分野は「年度計画」「予算」「訓練日程」と連動して動くため、締切と開催日を先に固定しておくと、組織内の調整が一気に楽になります。
■② 防災目線で、展示会の価値はどこにあるか
防災の現場でドローンが効くのは、機体のスペックよりも次の3点です。
・情報の“速さ”:上空から現場の全体像を短時間で掴む
・情報の“正確さ”:道路寸断、土砂流入、浸水境界を客観化する
・意思決定の“共有”:写真・動画で合意形成が進む
被災地派遣の現場では、現地の状況が見えないほど判断が遅れます。逆に、俯瞰情報があるだけで「どこに人員と資機材を入れるべきか」が早く決まります。展示会は、その“判断を速くする仕組み”をまとめて学べる場所です。
■③ 見学で必ず確認すべき「運用のリアル」
災害で使えるかどうかは、次の質問に答えられるかで決まります。
・強風・降雨・低温で運用できる限界はどこか
・夜間、濃煙、粉じん、降雪など視界不良時の代替手段は何か
・電源と通信が落ちた時に、何が残るか(オフライン運用)
・操縦者以外の役割(安全管理、記録、連絡調整)はどう設計するか
現場は“理想の環境”ではありません。災害対応で強いチームほど、機体より「運用の型」を持っています。
■④ デモ・プレゼンを防災の学びに変えるコツ
展示会のデモは派手に見えますが、防災で重要なのは“地味な部分”です。
・離着陸場所の確保と安全管理(立入規制、誘導、見張り)
・バッテリー交換と充電の回し方
・飛行計画の立て方と関係機関への説明
・撮ったデータを、誰が、どの形式で、いつ渡すか
私は被災地で、情報があっても「共有手順がない」ことで意思決定が止まる場面を何度も見ました。撮影だけで終わらず、“使える情報”に変換する流れまで確認するのがポイントです。
■⑤ 次世代エアモビリティを防災で考える視点
次世代エアモビリティは、将来的に「人や物を運ぶ」領域へ広がります。防災としては、いきなり夢の話にせず、段階的に考えるのが現実的です。
・まずは情報収集(被害状況把握)
・次に小型物流(医薬品、通信機材、止血資材など軽量物)
・その先に、限定条件下での搬送支援
“すぐ使える範囲”から積み上げることが、耐災害力を上げる近道です。
■⑥ 参加・出展で得るべき「防災の成果物」
展示会で得るべき成果物は、カタログではなく次の4つです。
・自組織の想定災害に合う運用シナリオ(何を、誰が、どこで)
・訓練設計(年に何回、どの条件で、誰を評価するか)
・協定や連携の型(自治体・消防・警察・海保・民間の役割分担)
・導入コストより“継続コスト”の見積り(更新、消耗、教育)
防災は導入して終わりではありません。継続できる設計が最重要です。
■⑦ 被災地経験から言う「ドローンで差が出る瞬間」
被災地では、現場の混乱よりも「情報の遅れ」がボディブローのように効いてきます。
道路の寸断や孤立集落の状況、河川の越水や土砂の上流側の崩落など、地上から見えない情報が、対応の優先順位を決めます。
私自身、被災地派遣で関係機関の調整役(LO)として動く中で、写真一枚が会議の時間を短縮し、資機材の投入を早める瞬間を何度も経験しました。
“現場の勘”を否定するのではなく、勘を裏付ける客観情報があると、判断が強くなります。ドローンはその一手になります。
■⑧ 今日できる最小行動(1つだけ)
展示会に行く・出展する前に、次を1つだけやってください。
・自組織の災害対応で「空から見たい情報」を3つ書き出す
(例:孤立の有無、浸水境界、土砂崩れの上流側、火点の広がり、通行可能ルート)
目的が決まると、会場での質問が鋭くなり、持ち帰れるものが増えます。
出典:Japan Drone 2026 / 次世代エアモビリティEXPO 2026 公式サイト(開催概要)
https://ssl.japan-drone.com/outline/iaam.html

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