【元消防職員が解説】消防設備士講習とは?|資格更新の本当の意味と“現場力”を落とさない仕組み

消防設備士は、消防用設備等の工事・整備を担う国家資格です。
しかし資格は「取った瞬間」がピークではありません。
技術や法令は変わり、設備も進化します。

消防設備士講習は、資格を“持ち続ける”ためではなく、
“現場で通用し続ける”ための制度です。


■① 消防設備士とは?|設備を“設置・整備できる”専門職

消防設備士は、消火設備や警報設備などの設置・整備を行う国家資格者です。

代表的な対象は、

・スプリンクラー設備
・屋内外消火栓設備
・自動火災報知設備
・ガス消火設備
・非常警報設備 など

「点検」だけでなく、「設置・改修」を担う技術職です。


■② なぜ講習(再講習)が必要か|法令と技術は変わり続ける

消防法や関係政省令は改正されます。
また、設備も年々高度化しています。

・感知器の高性能化
・デジタル制御の普及
・耐震設計の見直し
・誤報対策の強化
・省エネ・自家発電との連携

現場は常にアップデートされています。
講習は、その変化に追随するための仕組みです。


■③ 現場で感じる差|“古い常識”のままでは危険

元消防職員として現場で感じたのは、
「昔のやり方のまま」では対応できないケースがあるということです。

・誤作動対応の理解不足
・改修時の法令確認漏れ
・用途変更に伴う設備不足
・耐震固定の不備

設備は設置して終わりではありません。
更新や改修時の判断ミスが重大事故につながります。


■④ 被災地派遣で見えた現実|“施工の質”が災害後に問われる

地震被災地では、設備の耐震性や固定方法が被害を分けました。

・配管の固定不足
・耐震支持金具の不備
・電源系統の脆弱性
・非常電源の未整備

日常では見えにくい施工の質が、災害時に一気に表面化します。
講習は、こうした“後から効いてくる部分”を意識させる場でもあります。


■⑤ よくある誤解|講習は“形式的な更新”?

講習は義務だから受ける――それだけではもったいない。

本質は、

・法改正の理解
・事故事例からの学習
・最新技術の把握
・是正事例の共有

事故の多くは「知らなかった」「古い基準で判断した」から起きます。
講習は、そのズレを修正する時間です。


■⑥ 消防設備士の責任|“図面通り”ではなく“命を守れるか”

設置や改修の判断は、最終的に命に直結します。

・感知器の位置は適切か
・配管ルートは安全か
・警報は確実に伝わるか
・電源は冗長化されているか

図面通りでも、現場に合わなければ意味がありません。
消防設備士は、技術者であると同時に防災の担い手です。


■⑦ 今日できる最小行動|“最新の法改正”を1つ確認する

消防設備士であれば、今日できることがあります。

・最近の法令改正を確認する
・使用機器の更新情報を見る
・耐震基準の最新情報を確認する
・過去の施工を振り返る

小さな確認が、将来の重大事故を防ぎます。


■⑧ 結論|消防設備士講習は“資格維持”ではなく“現場力維持”

消防設備士講習は、法改正や技術進歩に対応し、現場で通用する技術力を維持するための制度です。
形式的な更新ではなく、事故を未然に防ぐための学び直しです。

結論:
消防設備士講習は「持っている資格」を「使える資格」に保ち続ける仕組み。
元消防職員として感じたのは、事故は“技術の停滞”から生まれることがあるという事実です。
だからこそ、学び続ける仕組みが重要です。

出典:総務省消防庁 https://www.fdma.go.jp/

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