【元消防職員が解説】消防学校入校前にやるべき体力準備5選|初任科で差がつく最低ラインとは

消防学校への入校が決まると、多くの人が不安になるのが「体力は大丈夫だろうか」という点です。結論から言えば、特別なアスリートレベルは必要ありません。しかし、最低限の準備をしているかどうかで、入校後の“余裕”が大きく変わります。ここでは、初任科入校前に本当にやるべき体力準備を、元消防職員の立場から整理します。


■① 腕立て伏せは「正しいフォーム」で20回以上

消防学校では回数よりフォームが重視されます。腰が反る・顎だけ出す・浅い動作はすぐ修正されます。目標は「正しい姿勢で20回以上」「呼吸を止めない」。まずは“丁寧な20回”を作ることが第一歩です。腕立ての質が上がると、腕・胸だけでなく体幹も同時に鍛えられ、訓練全体の安定感が一気に増します。


■② 懸垂は最低5回を目標に

懸垂は入校後に苦戦する人が多い種目です。最初から10回は不要ですが、最低5回はできる状態にしておくと安心です。できない場合は、斜め懸垂やネガティブ動作(上で止めてゆっくり下ろす)から始めましょう。焦らず段階的に伸ばすことが重要です。現場でも「引く力」はロープ・担架・資機材搬送で活きるので、入校前に土台があると伸びが早いです。


■③ 1500m走を「止まらず完走」できること

タイムよりも大事なのは“止まらないこと”です。目安は1500mを7分台前半以内、呼吸を整えながら完走。消防学校では持久力が土台になります。週2〜3回のジョギングで十分です。最初はゆっくりで構いません。止まらず走り切る習慣ができると、訓練中の回復が早くなり、気持ちの余裕が生まれます。


■④ 体幹トレーニングで怪我を防ぐ

入校後に多いのが腰・膝の故障です。特にプランク、サイドプランク、スクワット(正しいフォーム)を習慣化しておくと怪我予防になります。現場経験上、体幹が弱い人ほど早期に痛める傾向があります。ここは「追い込む」より「毎日短く継続」が強いです。体幹が安定すると、走る・持つ・引く・担ぐの動作が崩れにくくなります。


■⑤ 柔軟性を軽視しない

筋力ばかり鍛えて柔軟を怠ると故障します。特に股関節、ハムストリング、肩周りのストレッチは毎日行いましょう。柔軟性の高い人ほど怪我が少ないのは、現場でも共通しています。入校前は「可動域を広げる」より「硬さを残さない」感覚で十分です。寝る前に3分でも入れると、継続しやすくなります。


■⑥ やらなくていいこと

過度なウエイトトレーニング、極端な食事制限、SNSの過剰情報収集はやらなくていいです。入校前に身体を壊すのが一番もったいないからです。消防学校は「基礎から作る場所」です。完成形で行く必要はありません。入校前は“壊さない強さ”を作る期間にした方が結果的に伸びます。


■⑦ 体力より大切なこと

体力は入校後に必ず伸びます。しかし、返事、素直さ、継続力は入校前から準備できます。現場で信頼される人は、例外なくこの3つを持っています。訓練は「できる・できない」より「直す・続ける」で差がつきます。ここが整っている人ほど、伸びるスピードが違います。


■⑧ 不安を軽くする考え方

入校前に完璧になる必要はありません。最低限の準備をして「やれることはやった」と思える状態にしておく。それだけで不安は大きく減ります。被災地での活動も同じで、最後に効くのは派手な根性より、淡々と積み上げた基礎と落ち着きでした。焦らず、壊さず、続けて入校日を迎えてください。


■まとめ|入校前は「怪我なく基礎を持って入る」が正解

消防学校入校前の目標は「アスリートになること」ではなく、「怪我なく基礎を持って入校すること」です。体力は後から必ず伸びます。無理に追い込みすぎず、正しいフォームと継続を意識してください。

結論:
入校前は“追い込む”より“整える”。フォーム・持久力・体幹・柔軟を最低ラインまで作れば、初任科の伸びは一気に加速します。
元消防職員として言えるのは、入校前に必要なのは“過度な覚悟”よりも“冷静な準備”。準備がある人ほど、入校後に余裕が生まれます。

出典:消防庁「消防学校における教育訓練(消防職員の教育訓練の基本)」https://www.fdma.go.jp/

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