消防学校の初任科に入る前、多くの人が「体力」「技術」「知識」を心配します。
もちろん大事です。けれど、最初に身につけるべき“土台”はもっとシンプルです。
結論から言うと、素直さ/学ぶ姿勢/協調性/挨拶/大きな声/失敗から学ぶ力。
この6つがある人は伸びます。逆に、ここが崩れると、どれだけ体力があっても伸びにくいです。
元消防職員として、そして被災地派遣(LO)で現場に入った経験からも断言できます。
災害現場は「一発勝負」ではなく、基本を崩さずチームで安全に動ける人が、結果的に人を救います。
■① 素直:一番強いのは「言われた通りに一回やれる人」
初任科は“矯正の期間”です。
自己流を出すほど事故が増えます。
素直さは、性格の話ではなく安全技術です。
・指示を一回で受け取る
・分からないを隠さない
・直されたら即修正する
これができる人が、現場で一番信用されます。
■② 学ぶ姿勢:メモより大事なのは「次に同じミスをしない姿勢」
学ぶ姿勢は、知識量ではありません。
「次に同じ失敗をしないために、どう変えるか」です。
被災地派遣の現場でも、情報は刻々と変わります。
そのときに必要なのは、プライドより“更新できる頭”です。
初任科は、その土台を作る場所です。
■③ 協調性:消防は個人競技ではなく、徹底したチーム競技
消防は「強い人」より「合わせられる人」が強いです。
・隊列を乱さない
・声を掛け合う
・相手の動きに合わせる
・危険を共有する
これができる人が、現場で事故を減らします。
災害現場(LO)でも、単独で動くほど危険が増えます。
協調性は、人間関係のためではなく、命を守るために必要です。
■④ 挨拶:最初の信頼は「技術」より先にここで決まる
初任科は“評価される場”ではなく“信頼を積む場”です。
挨拶は形式ではなく、次の3つを同時に伝えます。
・私はここにいます(存在確認)
・私は従います(組織適応)
・私は学びます(姿勢)
災害現場でも、挨拶ができる人は報告連絡相談が早く、結果的に安全です。
■⑤ 大きな声:気合いではなく「安全管理の道具」
大きな声は根性論ではありません。
消防の声は、合図・確認・危険回避の装備です。
・「ヨシ!」の確認
・「止めます!」の中断
・「退避!」の危険回避
これを通せる声があるかどうかで、事故の確率が変わります。
被災地でも、周囲が騒がしい中で「通る声」がある人は、現場を落ち着かせます。
■⑥ 失敗から学ぶ力:失敗は“悪”じゃない。放置が悪い
初任科では失敗します。全員します。
大事なのは、失敗そのものではなく、次です。
・原因を1つに絞る
・次の行動を1つ決める
・同じ失敗を繰り返さない
これができれば、失敗は成長の材料になります。
災害現場でも、失敗はゼロにできません。
だからこそ「小さく失敗して、すぐ直す」文化が命を守ります。
■⑦ 伸びる人の共通点:報告・連絡・相談が早い
初任科で伸びる人は、例外なく“早い”です。
早いのは走る速さではなく、報告連絡相談の速さです。
・遅れる前に言う
・痛くなる前に言う
・分からない時点で言う
これは弱さではなく、事故を防ぐ強さです。
■⑧ どうしても覚えておいてほしい現実:初任科は「完成」じゃなく「型作り」
初任科は、上手くなる場所ではなく、型を体に入れる場所です。
型が入ると、現場で判断が軽くなります。疲れも減ります。事故も減ります。
被災地派遣(LO)で感じたのは、結局最後に人を助けるのは、派手な技術よりも
淡々と基本を守り、チームで動ける人だということです。
初任科の6つは、その人になるための最短ルートです。
まとめ
結論:消防学校の初任科で本当に必要なのは、素直さ・学ぶ姿勢・協調性・挨拶・大きな声・失敗から学ぶ力。この6つが「現場の安全」と「信頼」を作り、結果的に救える人を増やす。
元消防職員として、そして被災地派遣(LO)で現場を見た経験からも言えます。まずはこの6つを“型”として体に入れてください。技術は後から必ず伸びます。
出典
総務省消防庁「消防学校における教育訓練(消防白書)」 oai_citation:0‡総務省消防庁

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