消防学校の初任科で「一番きついのは体力ですか?精神ですか?」と聞かれることは多いです。
結論から言うと、体力でも精神でもなく、実は“〇〇”が一番きます。
それは、環境が変わった中で毎日「当たり前を落とさずに回し続ける力」です。
この正体が分かるだけで、入校前の不安はかなり軽くなります。
■① 体力のきつさは「想定内」|でも想定外が混ざる
体力は確かにきついです。防火衣や資機材、訓練の反復で、普段使わない筋肉も使います。
ただ、多くの人は入校前から「体力がきついだろう」と覚悟して入ってきます。
問題は、体力のきつさに“想定外の疲労”が上乗せされることです。
- 睡眠が思うように取れない
- 生活の段取りが増える
- 緊張で身体がこわばる
- 人間関係で気を使う
この「体力+生活疲労」の合算が、初任科の本当の負荷になります。
■② 精神のきつさは「耐える」ではなく「整える」問題
精神面もきついです。怒られる、比較される、初めての環境で自信が揺れる。
でも精神の強さは、根性よりも「整え方」で決まります。
- 反省は1点に絞る
- 今日は今日で区切る
- 明日の準備を終わらせて寝る
- 自分の役割を淡々と果たす
救助隊でも緊急消防援助隊でも、精神的に強い人は、気合いが強い人ではありません。
平時から“整えるルーティン”を持っている人です。
■③ 実は一番きついのは「毎日ミスなく回すこと」
初任科で一番きつい正体は、これです。
- 時間通りに動く
- 物を忘れない
- 服装・装備を整える
- 指示を聞き漏らさない
- 同期との関係を壊さない
一つ一つは小さいのに、毎日続く。
この「当たり前の連続」を落とさず回し続けるのが、初任科で一番消耗します。
出世する視点で言うなら、ここが評価の土台です。
大きな成果より、小さな当たり前を落とさない人が信頼されます。
■④ 初任科で折れやすいのは「体力不足」より「摩擦疲れ」
辞めたくなる人の多くは、体力が限界というより、摩擦疲れが溜まっています。
- 叱責で自信が削れる
- 同期と価値観が合わない
- 自分だけ遅れている気がする
- 休めた気がしない
摩擦疲れは、放置すると一気に爆発します。
早めに「距離」「睡眠」「回復」を整えないと、気持ちが先に折れます。
■⑤ 救助隊として役立つ視点|“できる人”は焦らない
救助の現場で強い人ほど、焦りません。
理由は簡単で、焦ると事故が増えるからです。
初任科でも同じです。
- 早くやるより、確実にやる
- 分からないまま進まない
- 一度で覚えようとしない
- 反復で身体に落とす
「分かってるのにミスする」は、焦りと疲労が原因です。
救助隊の基礎は、初任科の“焦らない練習”で作られます。
■⑥ 緊急消防援助隊で役に立つ視点|“長く動ける人”が最強
被災地では、短距離の全力より「長く動ける人」が最後に勝ちます。
初任科で役立つのも同じです。
- 今日100点を狙わない
- 70点でいいから崩れない
- 睡眠と食事を最優先にする
- 休憩で回復できる身体を作る
援助隊の現場は、気合いで動く人ほど早く壊れます。
初任科の時点から「壊れない運用」を覚えると、その後が伸びます。
■⑦ 出世する視点|評価は「目立つ人」より「安定する人」
出世に直結するのは、派手さではなく安定感です。
- 遅刻しない
- 忘れ物をしない
- 返事と報連相ができる
- ミスを隠さず修正できる
- 周囲を疲れさせない
初任科でこれができる人は、現場でも崩れません。
「安心して任せられる人」が、結局一番強いです。
■⑧(一次情報)現場で本当に強いのは“整った人”
被災地派遣(LO)で感じたのは、強さの正体が「能力」より「整い」だということです。
寝不足でも判断が乱れない。怒鳴られても作業が崩れない。トラブルがあっても淡々と修正する。
こういう人が、最後に頼られます。
初任科で一番きついのは、体力や精神ではなく、
毎日をミスなく回し続ける“整い”を作ることです。
ここを知っているだけで、不安は確実に軽くなります。
■まとめ|初任科で一番きついのは「当たり前を落とさず回す力」
体力と精神のどちらかに見えて、実は一番きついのは「生活と訓練を毎日ミスなく回すこと」です。
ここを乗り切るコツは、100点を狙わず、崩れない運用を作ること。
焦らず、確実に、整えて続けることです。
結論:
初任科で一番きついのは体力でも精神でもなく、「毎日を崩さず回し続ける力」です。
元消防職員として見てきた実感でも、緊急消防援助隊でも救助隊でも、最後に強いのは“整った人”です。まずは睡眠・食事・段取りを整え、崩れない自分を作ってください。
出典:総務省消防庁「消防・救急」 https://www.fdma.go.jp/

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