【防災士が解説】災害時に役立つ簡易トイレの選び方|3タイプを家庭状況で決める

簡易トイレは「買えば安心」ではなく、「家族が迷わず使えるか」で価値が決まります。災害時は断水・停電で自宅トイレが使えない、または流すと危険な状況が起こり得ます。避難所の仮設トイレもすぐに十分な数が整うとは限らず、混雑や衛生問題が生活ストレスを増やします。
被災地派遣(LO)の現場でも、トイレ環境が整っている場所ほど体調不良や混乱が少なく、生活の立て直しが早い傾向がありました。だからこそ「どのタイプを選ぶか」を先に決めておくことが、備えの質を上げます。


■① まずは3タイプを知る|選び方の前に“分類”で迷いを消す

災害向けの簡易トイレは、大きく3タイプに分かれます。
「便器設置タイプ」「携帯タイプ」「ポータブルトイレ」です。
この3つを理解してから選ぶと、買う基準がブレません。逆に、分類を知らないまま商品名や回数だけで選ぶと、いざ使う時に合わないことが起きます。


■② 女性が使いやすいのは?|結論は“個室で使える形”を優先

女性が使いやすい条件は、目隠し・姿勢・処理のしやすさが揃うことです。
その点で優先度が高いのは、個室のトイレ空間を使える「便器設置タイプ」です。
外で使う必要がある場合は、携帯タイプやポータブルでも対応できますが、目隠し(ポンチョ等)と処理袋の準備がセットになります。


■③ 便器設置タイプ|自宅の洋式便器に設置して使う

便器設置タイプは、洋式便器に袋をかぶせ、吸水シートや凝固剤で固めて処理するタイプです。
断水していても便器自体が無事なら使え、個室で用を足せるため心理的負担が小さく、在宅避難との相性が良いのが特徴です。
使用後は袋を密封して廃棄する流れが基本なので、「密封しやすい袋」「消臭性能」が選ぶポイントになります。


■④ 携帯タイプ|車内・渋滞・外出先でも使える

携帯タイプは便器に設置せず、袋そのものを使って排泄するタイプです。
コンパクトで持ち歩けるため、車内避難や渋滞時、アウトドアなどにも対応できます。
袋の中に吸水材や凝固剤が入っているものが多く、使ったら密封して廃棄します。
被災地派遣(LO)でも、車で移動しながら支援する場面では「携帯タイプを持っている人ほど行動が止まらない」印象がありました。行動継続の保険になります。


■⑤ ポータブルトイレ|子ども・高齢者に強い“座れる安心”

ポータブルトイレは便座が付いており、座って用を足せるタイプです。
子どもや高齢者がいる家庭では、体勢が安定するだけで事故や失敗が減ります。
一方で、プラスチック製は大きくて収納スペースを取る点に注意が必要です。備蓄目的なら、折りたたみ式・組み立て式を選ぶと省スペースで現実的です。


■⑥ 折りたたみ式のメリット|省スペースと“出せる速さ”が強い

災害時は、出し入れに手間がかかるほど使われなくなります。
折りたたみ式や組み立て式は、収納性が高く、必要な時に出しやすいのが最大の利点です。
特にポータブルトイレは、日常の置き場所が確保できない家庭ほど「折りたたみ前提」で選ぶと失敗しにくいです。


■⑦ ニオイと衛生が気になる人へ|“完全密封”という選択肢

災害時はすぐに廃棄できないことがあり、保管期間が延びるほどニオイ問題がストレスになります。
熱圧着などで排泄物を完全に密封できるタイプは、衛生面とニオイ対策を重視する人に向きます。
防災士として現場で見た“誤解されがちポイント”は、「凝固剤があるからニオイは大丈夫」と思い込むことです。実際は、保管期間・室温・袋の性能で差が出るため、密封性能は最初から意識しておくと安心です。


■⑧ 家庭の状況で決める|おすすめの組み合わせ例

迷ったら、生活シーンで決めるのが最短です。

在宅避難を想定する家庭:便器設置タイプを主軸にする
車中泊や移動も想定する家庭:携帯タイプを追加する
子ども・高齢者がいる家庭:ポータブルトイレを検討する

被災地派遣(LO)で感じたのは、「一つに絞るより、役割を分ける方が破綻しにくい」ということです。家の中用と外用を分けるだけで、判断が軽くなります。


■まとめ|簡易トイレは“家庭に合うタイプ”を先に決める

簡易トイレは3タイプに分かれます。
個室で使いやすい便器設置タイプ、車内や外出先で強い携帯タイプ、座って使える安心感のあるポータブルトイレ。
収納スペースや家族構成、想定する避難スタイルに合わせて選ぶことで、災害時に迷わず使える備えになります。

結論:
簡易トイレは「家庭の使い方」に合わせて3タイプから選び、必要なら役割分担で組み合わせるのが最適です。
防災士として被災地派遣(LO)で現場を見てきた立場から言うと、トイレの備えは“物”より“使える状態”がすべてです。家族が迷わず使えるタイプを決め、置き場所と使い方まで含めて備えることが、生活を守る最短ルートになります。

出典:川崎市上下水道局「備蓄しよう、携帯トイレ」https://www.city.kawasaki.jp/800/page/0000122885.html

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