春は家計を見直すタイミングです。家賃、通信費、保険、食費…。しかし「防災」にいくら使うかを決めている家庭は多くありません。備えは気合ではなく、予算設計で現実になります。この記事では、生活を圧迫せずに確保できる“最低限の防災予算”と、優先順位の付け方を整理します。
■① 防災予算は「一括」ではなく「段階」で考える
いきなり数万円使う必要はありません。
防災予算は3段階で考えます。
・第1段階:命を守る(家具固定・火災対策)
・第2段階:72時間をしのぐ(水・食料・トイレ)
・第3段階:生活を立て直す(電源・通信・備蓄拡充)
まずは第1段階からです。
■② 最低限いくら?現実的な目安
家族構成にもよりますが、目安は次の通りです。
● 単身世帯
最低ライン:1万円前後
● 2〜4人世帯
最低ライン:2〜3万円
これは「完璧な備え」ではなく、初動を安定させる金額です。
■③ 1万円でできること(単身例)
・家具固定器具
・簡易消火器
・水(2L×6本)
・簡易トイレ(10〜20回分)
・LEDライト
これだけで、地震・停電・断水への耐性が一段上がります。
■④ 3万円でできること(家族例)
・3日分の水と食料
・簡易トイレ40〜60回分
・モバイルバッテリー
・常備薬の予備
・ガスボンベ式コンロ
・防災リュック整備
ここまで整うと「最初の混乱」を乗り越えられます。
■⑤ 防災予算は“保険”ではなく“判断力の強化”
備えがあると、人は落ち着きます。
落ち着くと、判断を誤りにくくなります。
実際、被災地では
・備蓄がある世帯は焦って買い占めに走らない
・トイレ備蓄がある世帯は無理に外出しない
という違いが出ました。物そのものより「心の余裕」が大きいのです。
■⑥ 家計の中でどう捻出するか
おすすめは「春の固定費見直し分を充当する」方法です。
・サブスク1つ解約
・保険の見直しで浮いた分
・通信費の最適化
浮いた分をそのまま防災費へ回す。
これなら生活水準を下げずに備えが整います。
■⑦ よくある失敗パターン
・高額な防災グッズから買う
・非常食だけ大量購入
・収納できずに放置
順番を間違えると、満足感だけで終わります。
まずは家具固定と水・トイレからです。
■⑧ 被災地経験で見えた「予算より優先順位」
被災地派遣では、収入が高い家庭でも備えがゼロのケースがありました。一方、収入が多くなくても最低限を整えている家庭は落ち着いていました。LOとして現地調整に入る中でも、初動が安定している世帯は支援も受け取りやすい傾向がありました。元消防職員として感じるのは、防災は“お金の量”ではなく“優先順位”で決まるということです。
■まとめ|防災予算は「最低1〜3万円」からで十分始められる
完璧な備えを目指す必要はありません。
単身なら約1万円、家族なら2〜3万円。
まずは
・家具固定
・水
・トイレ
この3点を整える。
結論:
防災予算は少額でも意味がある。家計見直しの浮いた分を“命を守る投資”に回すだけで、災害時の安定感は大きく変わります。
備えは贅沢ではありません。
それは、家族の判断力を守る“静かな基盤”です。
出典:https://www.bousai.go.jp/

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