【元消防職員が解説】消防学校の教官はどれくらい厳しいのか|怒られるポイントとハラスメントの判断基準

消防学校に入る前、多くの人がかなり気にするのが「教官はどれくらい厳しいのか」という点です。
「毎日怒鳴られるのか」
「少し失敗しただけで厳しく叱られるのか」
「昔みたいな理不尽な指導はまだあるのか」
こうした不安はかなり多いです。

結論から言えば、消防学校の教官は基本的に厳しいです。
ただし、その厳しさは本来、気分で怒ることではなく、現場で命を預かる職員として必要な規律・安全・集団行動を身につけさせるための厳しさです。
消防学校の教育計画でも、初任教育は厳正な規律や協同精神を養成することを目的にしています。 oai_citation:1‡滋賀県公式サイト

元消防職員として率直に言うと、消防学校でしんどいのは「教官が怖い」ことそのものより、厳しく言われる理由が自分で整理できていないことです。
逆に言えば、怒られやすいポイントと、指導とハラスメントの違いを先に知っておくと、かなり受け止めやすくなります。

■① まず前提として、教官は「優しい先生」ではなく「現場基準で育てる人」

消防学校の教官は、一般的な学校の先生のイメージで入るとギャップが出やすいです。
消防学校の教育は、消防職員として必要な知識と技能だけでなく、規律の保持、体力の錬成、協同精神のかん養を目的にしています。
つまり教官は、単に授業を教える人ではなく、消防現場で通用する人を育てる立場です。 oai_citation:2‡滋賀県公式サイト

そのため指導も、
・返事
・報告
・時間厳守
・礼式
・服装
・安全確認
のような細かいところまで入ります。

元消防職員として見ても、消防学校の厳しさは「圧をかけるため」ではなく、現場での事故や組織の乱れを防ぐための基礎固めとして理解した方がズレにくいです。

■② 実際に怒られやすいのは「能力不足」より「規律・安全・態度」

消防学校で怒られるポイントとして多いのは、体力不足そのものよりも、規律や安全に関わる部分です。

たとえば、

・返事が小さい
・集合や行動が遅い
・号令や動作がそろわない
・指示を聞いていない
・報告が遅い
・装備や服装の乱れ
・安全確認の不足

こうした点です。

なぜここが厳しく見られるかというと、消防は現場で一人だけの判断で動く仕事ではなく、隊としてそろうことが重要だからです。
教育計画でも、集団行動の重要性を体得させることが明記されています。 oai_citation:3‡滋賀県公式サイト

元消防職員として率直に言えば、消防学校での叱責は「できないから怒られる」というより、現場で事故につながるズレをその場で止められることが多いです。

■③ 教官の厳しさは「安全を守る指導」が中心だと理解した方がいい

消防学校での厳しい指導は、外から見ると怖く感じることがあります。
ただ、本来の中心は安全を守るための指導です。

たとえば、

・ロープや資機材の扱い
・隊列や行進の乱れ
・訓練中の勝手な行動
・体調不良の申告遅れ
・火気や装備の確認不足

こうした部分は、現場ならそのまま事故や二次災害につながる可能性があります。
だから消防学校では、日常の訓練段階から細かく止められやすいです。

元消防職員としても、現場で本当に怖いのは「きつい訓練」より、慣れや油断で確認が甘くなることです。
その意味では、消防学校で安全面を厳しく見られるのは自然なことです。

■④ ただし「厳しい指導」と「ハラスメント」は別物

ここはかなり大事です。
消防庁は、初任科教育の段階でハラスメントについて共通認識を深めることが重要であり、新たに教官になる職員には、パワーハラスメントに該当しない適切な指導を行うことが重要だと示しています。
また、消防学校においてハラスメントやコンプライアンスに関する講義を実施する必要があるとも整理されています。 oai_citation:4‡消防庁

つまり、
厳しい=何をしても許される
ではありません。

本来の指導は、
・目的が明確
・安全や規律に関係している
・組織として説明がつく
・人格否定ではない
ものであるべきです。

逆に、
・見せしめのためだけ
・人格否定
・侮辱
・必要以上の威圧
・継続的な精神的圧迫
のようなものは、厳しい指導とは別で考える必要があります。

■⑤ 今はハラスメント相談体制も整備が進んでいる

昔のイメージだけで「消防学校は何を言われても我慢するしかない」と思うのは、少し古い認識です。
消防庁の白書では、消防本部におけるハラスメント等通報制度の確立が97.8%、相談窓口の設置が98.3%の本部で実施済みとされています。
また、消防庁ハラスメント等相談窓口や、都道府県の相談窓口整備、消防学校での講義・研修の充実も進められています。 oai_citation:5‡消防庁

もちろん、制度があるからゼロとは言いません。
ただ、少なくとも今は、
「厳しさの中にも線引きが必要」という考え方が制度として明確になっている
のは事実です。

元消防職員としても、ここは昔より確実に変わっている部分だと感じます。

■⑥ 入校前に持っておくと楽なのは「怒られない工夫」を先に作ること

消防学校でのストレスを減らすには、教官の厳しさそのものを変えるより、怒られやすいポイントを自分で先に減らすことの方が現実的です。

たとえば、

・返事を大きく短くする
・時間の5分前に動く
・報告を後回しにしない
・服装と持ち物を毎回確認する
・分からない時は勝手にやらず確認する

こうした基本だけで、かなり変わります。

元消防職員として率直に言えば、消防学校で本当に苦しくなる人は、体力より、注意される理由が毎回同じ人です。
逆に、素直に直す人は、多少不器用でも伸びやすいです。

■⑦ 現場経験として感じるのは「厳しさに意味を見いだせるか」で受け止め方が変わること

被災地派遣や現場勤務を経験すると分かりますが、消防の仕事は、
時間にルーズ
返事が曖昧
確認不足
報告遅れ
これだけで本当に事故につながります。

だから消防学校で教官に厳しく言われる場面も、あとから振り返ると
「あれは現場のためだった」
と分かることが少なくありません。

もちろん、何でも正当化していいわけではありません。
ただ、元消防職員として強く言えるのは、意味のある厳しさと、意味のない圧迫は分けて考えた方がいいということです。
ここが整理できると、入校前の不安はかなり減ります。

■⑧ まとめ

消防学校の教官は基本的に厳しいですが、その本来の目的は、現場で命を預かる消防職員として必要な規律・安全・集団行動を身につけさせることです。
公開されている消防学校の教育計画でも、初任教育は厳正な規律や協同精神の養成を目的としています。
一方で消防庁は、初任科教育の段階でハラスメントについて共通認識を深めることや、新任教官がパワーハラスメントに当たらない適切な指導を行うことの重要性を示しており、相談窓口の整備も進んでいます。 oai_citation:6‡滋賀県公式サイト

元消防職員として強く言えるのは、消防学校で本当に大事なのは「怒られないこと」ではなく、怒られる理由を整理して、自分で直せることです。
迷ったら、まずは返事、時間、報告、安全確認。
この4つを先に整えるだけで、かなり入りやすくなります。

出典:消防庁「消防本部におけるハラスメント等への対応策」

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