【防災士が解説】水害後に増える感染症・熱中症・心身の不調は何を優先して防ぐべきか|相談先まで含めた判断基準

水害のあと、
「片付けを優先したいが、体調を崩さないか不安」
「感染症や熱中症は何に気をつければいいのか」
「気分の落ち込みや眠れない状態は、どこまで様子を見ていいのか」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、水害後の感染症・熱中症・心身の不調対策で最も大切なのは、“気合いで乗り切ること”ではなく、“清潔・水分・休息・相談”の4つを早めに確保することです。
厚生労働省は、被災地での健康管理として、避難所や被災後の生活では感染性胃腸炎などの感染症が流行しやすいこと、発熱・せきがある時はマスク着用や受診を考えること、下痢や嘔吐がある時は脱水予防のため水分補給を行うことを案内しています。あわせて、粉じん環境では防じんマスク等の着用、災害後のストレスにより不安、いらいら、不眠、動悸、息切れなどが出ることがあり、その場合は身近な人や専門の相談員、医師・保健師等に相談することを勧めています。気象庁と環境省の熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)33以上が予測される時に発表され、発表時には涼しい環境で過ごし、こまめな水分・塩分補給や休憩を呼びかけています。

元消防職員として率直に言えば、水害後に一番危ないのは、
「片付けが先だから自分の体調は後回し」と考えること
です。
東日本大震災当時に東京で被災し、その後の被災地派遣やLO対応でも強く感じたのは、災害後の不調は大きなけがだけではなく、脱水、感染、睡眠不足、気持ちの落ち込みのような積み重なりで悪化しやすいということです。特に水害後は、泥や汚水、暑さ、悪臭、片付け疲れが重なりやすく、無理を続けるほど回復が遅れやすいです。だから、片付けと同じくらい自分と家族の健康管理を優先した方が現実的です。

■① 最初に注意したいのは「感染症は水害後に増えやすい」こと

厚生労働省は、避難所や被災後の生活では感染性胃腸炎等の消化器系感染症が流行しやすいと示しています。
つまり、水害後は
・手洗いが不十分になる
・汚泥や汚水に触れる
・トイレ環境が悪化する
・ごみや水たまりが増える
といった条件で感染リスクが上がりやすいです。

防災士として言えば、水害後の感染症対策で一番大切なのは
特別な薬
より
手洗い、マスク、清潔な環境
です。
元消防職員としても、汚れた環境に長くいるほど、体調を崩しやすくなります。

■② 発熱・せき・下痢・嘔吐は「様子見を続けすぎない」方がいい

厚生労働省は、
発熱やせきがある時はマスクを着けること
下痢や嘔吐がある時は水分補給を心がけること
・これらの症状がある時は速やかに医師の診察を受けること
を案内しています。

防災士として率直に言えば、水害後は
疲れのせい
と考えて見逃しやすいです。
でも、元消防職員としても、発熱、下痢、嘔吐は脱水や感染症につながりやすいので、
長引かせない
方が現実的です。

■③ 片付け中の粉じん対策を軽く見ない方がいい

厚生労働省は、被災後の片付けでは、
粉じんが舞い上がる環境ではマスクを着用する
・できれば防じんマスクやN95マスクが望ましい
・無ければ花粉用マスク等も活用する
と案内しています。

水害後は、
・乾いた泥
・カビを含む可能性のあるほこり
・建材由来の粉じん
が舞いやすくなります。

防災士として言えば、片付けで大切なのは
泥を取ること
だけでなく、
吸い込まないこと
です。
元消防職員としても、咳、痰、息切れが続く時は、無理せず相談した方が現実的です。

■④ 水害後は熱中症もかなり起きやすい

気象庁と環境省の熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)33以上が予測される時に発表されます。発表時は、
涼しい環境で過ごす
こまめな水分、塩分補給
こまめな休憩
高齢者や乳幼児への声かけ
が勧められています。

水害後は、
・屋外作業
・片付けでの発汗
・断水や停電
・風通しの悪い環境
が重なりやすく、熱中症リスクが上がります。

防災士として率直に言えば、水害後は
水の災害だから熱中症は関係ない
とは考えない方がいいです。
元消防職員としても、片付け中の熱中症はかなり現実的なので、
暑い日は作業時間を短く区切る
方が現実的です。

■⑤ 高齢者・子ども・持病のある人は一段注意が必要

厚生労働省は、高齢者では避難生活で体を動かす機会が減ることで、筋力低下や心身機能の低下が起きやすいと示しています。さらに、慢性疾患のある人は治療の継続が大切だと案内しています。気象庁も、熱中症警戒アラート発表時は高齢者、乳幼児等は特に注意としています。

防災士として言えば、
・高齢者
・子ども
・妊産婦
・持病がある人
は、同じ作業量でも負担が大きくなりやすいです。
元消防職員としても、家族の中で一番弱い立場の人を基準に考える方が現実的です。

■⑥ 心の不調は「弱さ」ではなく「よくある反応」

厚生労働省は、大きな災害ストレスにさらされると、誰でも程度の差はあっても不安や心配などの反応が表れると示しています。
具体的には、
いらいらする、怒りっぽくなる
眠れない
動悸や息切れで苦しい
などが続く時は、身近な人や専門の相談員に相談するよう案内しています。

防災士として率直に言えば、水害後の心の不調で一番危ないのは
自分だけがおかしいと思って抱え込むこと
です。
元消防職員としても、災害後の落ち込みや不眠は珍しいことではなく、
よくある反応
として早めに相談する方が現実的です。

■⑦ 相談先は「医師・保健師・自治体窓口」を早めに使う

厚生労働省は、不安や症状がある時は医師、保健師、助産師、専門の相談員などへ相談するよう案内しています。
つまり、相談先としては
・かかりつけ医
・保健所
・自治体の保健師
・避難所の医療、保健スタッフ
・こころのケアの相談窓口
などが考えやすいです。

防災士として言えば、相談は
重症になってから
ではなく、
迷いが続く段階
で使う方が現実的です。
元消防職員としても、災害後は遠慮せずに早めにつながる方が安全です。

■⑧ まとめ

水害後の感染症・熱中症・心身の不調対策で最も大切なのは、“気合いで乗り切ること”ではなく、“清潔・水分・休息・相談”の4つを早めに確保することです。
厚生労働省は、被災後の生活では感染症が流行しやすいこと、発熱・せき・下痢・嘔吐がある時は早めに対応すること、粉じん環境ではマスク着用が重要であること、ストレスによって不眠やいらいら、動悸などが出ることがあり、その場合は医師・保健師・専門の相談員等に相談することを案内しています。気象庁と環境省の熱中症警戒アラートは、WBGT33以上で発表され、涼しい環境、水分・塩分補給、休憩を呼びかけています。

元消防職員として強く言えるのは、水害後の体調管理で一番大切なのは
我慢して動き続けること
ではなく、
崩れる前に休み、相談すること
だということです。
迷ったら、
・感染症予防は清潔と手洗い
・熱中症予防は水分と休憩
・心の不調は早めに相談
この3つを軸に考えるのが一番現実的です。

出典:厚生労働省「被災地での健康を守るために」

参考:気象庁「熱中症警戒アラート」

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