【元消防職員が解説】災害時に学校給食施設は本当に使えるのか|実際に機能する仕組みの判断基準

災害が起きた時、
「学校給食施設はそのまま炊き出しに使えるのか」
「給食センターが止まったら学校生活はどうなるのか」
「実際に機能する学校と、機能しない学校の差は何か」
と迷う人は少なくありません。

結論から言えば、災害時に学校給食施設で最も大切なのは、“給食室があること”ではなく、“停電・断水・衛生・連携”の4つが事前に整理されていることです。
文部科学省は、災害時における学校給食実施体制の構築に関する資料で、被災後は学校における平常日課を実施する上で給食の提供が課題の一つになること、学校給食の早期再開は被災した児童生徒が日常の学校生活を取り戻す一助になることを示しています。あわせて、被災経験のある自治体では、特に停電、水道断絶、調理場損壊が課題になりやすく、事前に近隣自治体や民間企業との協定、非常食の備蓄、マニュアル整備などをしていた自治体ほど、被災時に給食提供不可となる割合が低いことが示されています。さらに文部科学省は、被災地の学校で給食を再開する際には、施設設備の洗浄及び消毒の徹底、衛生管理、調理従事者の健康管理に十分留意する必要があると通知しています。 (mext.go.jp)

元消防職員として率直に言えば、災害時の学校給食施設で一番危ないのは、
「給食室があるから何とかなる」と思い込むこと
です。
東日本大震災当時に東京で被災し、その後の被災地派遣やLO対応でも強く感じたのは、災害時に本当に機能する施設は、設備が新しい施設より、止まった時の代替手段まで考えている施設だということです。学校給食施設も同じで、調理場そのものより、電気、水、食材、人の流れがつながっているかどうかがかなり大きいです。だから、学校給食施設は「あるかないか」ではなく、災害時に動かせる設計かどうかで考える方が現実的です。

■① 最初に押さえたいのは「給食施設が使える」と「給食が出せる」は別だということ

学校に給食施設があっても、
そのまま給食を提供できるとは限りません。

文部科学省の資料では、これまでに給食施設や給食提供に影響がある被災経験があった自治体の被害として、
・停電
・水道断絶
・調理場損壊
などが挙げられています。つまり、
施設そのものが残っていても、インフラや衛生条件が崩れると給食は止まる
ということです。 (mext.go.jp)

防災士として言えば、災害時の学校給食施設で一番大切なのは
建物の有無
ではなく、
機能の有無
です。
元消防職員としても、調理室が使えそうに見えても、水や電気が止まれば実務はかなり難しくなります。

■② 停電・断水は学校給食施設の大きな止まりどころ

文部科学省の資料で特に目立つのが、
停電水道断絶
です。

給食施設は、
・炊飯
・加熱
・冷蔵
・洗浄
・消毒
の多くを電気や水に依存しています。
そのため、災害時に停電や断水が起きると、施設が無事でも給食提供はかなり難しくなります。

防災士として率直に言えば、学校給食施設で一番現実的な弱点は
インフラ依存
です。
元消防職員としても、災害時に「設備はあるのに出せない」原因の多くは、建物破損よりインフラ停止の方にあります。

■③ 実際に機能する施設は「代替手段」を持っている

文部科学省の事例では、災害に備えた先行事例として、
停電時にも炊飯可能な設備を有する学校給食センター
24時間連続で稼働できる自家発電装置
電気を使用しない調理機器による献立変更
などが紹介されています。 (mext.go.jp)

つまり、災害時に学校給食施設が実際に機能するかどうかは、
通常運転ができるか
ではなく、
止まった時の代替策があるか
で決まりやすいです。

防災士として言えば、学校給食施設で本当に強いのは
高性能な設備
より
代替運用が決まっていること
です。
元消防職員としても、災害時は完璧な再現より「何らかの形で出せる」方が現実的です。

■④ 施設だけでなく「連携」がかなり重要

文部科学省の資料では、災害時に備えた取組として、
近隣市町村との相互支援協定
民間企業との食材供給協定
学校間や県内広域での連携
などが挙げられています。さらに、事前にこうした施設外の対策までしていた自治体では、被災時に給食提供不可となる割合が低かったとされています。 (mext.go.jp)

防災士として率直に言えば、学校給食施設で大切なのは
自前で全部やること
ではなく、
足りない時に誰とつながれるか
です。
元消防職員としても、災害時は単独対応より相互支援の方が現実的です。

■⑤ 衛生が確保できなければ、無理に再開しない方がいい

文部科学省は、被災した学校で給食を実施する際には、
施設設備の洗浄及び消毒の徹底

学校給食衛生管理基準に基づく衛生管理

調理従事者の健康管理
に留意するよう通知しています。特に、被害のあった施設や、炊き出しへの協力などで調理従事者以外が使用した施設では十分な注意が必要としています。 (mext.go.jp)

防災士として言えば、災害時の学校給食施設で一番危ないのは
出さないと困るから無理に再開すること
です。
元消防職員としても、衛生条件が崩れた状態での提供は、別の健康被害につながるため、再開は「早さ」だけで決めない方が現実的です。

■⑥ 実際には「通常給食」ではなく「代替食」から始まることも多い

文部科学省の事例には、
停電時に各学校へ災害時非常食を給食代替食として配布したことで、学校生活に影響がなかった
という例も紹介されています。 (mext.go.jp)

つまり、災害時の学校給食施設の現実的な役割は、
通常メニューを完全再現すること
ではなく、
まず昼食機能を止めないこと
です。

防災士として率直に言えば、災害時の学校給食施設で大事なのは
いつも通り
より
何らかの食事を確保すること
です。
元消防職員としても、被災後は完全復旧より段階的再開の方が現実的です。

■⑦ 被災地経験から見ても「給食の再開」は学校再開の安心材料になる

文部科学省は、学校給食は被災した児童生徒が日常の学校生活を取り戻す一助になると示しています。 (mext.go.jp)

元消防職員として率直に言えば、被災後の学校で給食が戻る意味は
栄養
だけではありません。
東日本大震災後の経験でも、食事が決まった時間に出ることは、子どもにとってかなり大きな安心になります。だから学校給食施設は、単なる厨房設備ではなく、学校生活を戻す機能として見る方が現実的です。

■⑧ まとめ

災害時に学校給食施設で最も大切なのは、“給食室があること”ではなく、“停電・断水・衛生・連携”の4つが事前に整理されていることです。
文部科学省は、被災後は学校における平常日課を実施する上で給食の提供が課題となり、学校給食の早期再開は被災した児童生徒が日常を取り戻す一助になると示しています。被災経験のある自治体では、特に停電、水道断絶、調理場損壊が課題になりやすく、事前に近隣自治体や民間企業との協定、非常食の備蓄、マニュアル整備などをしていた自治体ほど、被災時に給食提供不可となる割合が低かったとされています。また、再開時には洗浄・消毒の徹底、衛生管理、調理従事者の健康管理が重要です。 (mext.go.jp)

元消防職員として強く言えるのは、災害時の学校給食施設で一番大切なのは
設備があること
ではなく、
止まった時の代替策が決まっていること
だということです。
迷ったら、
・停電と断水に耐えられるか
・衛生を保てるか
・代替食や連携先があるか
この3つから見直すのが一番現実的です。

出典:文部科学省「災害時における学校給食実施体制の構築について」

参考:文部科学省「被災地の学校において教育活動を実施する際の留意点について」

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