停電時の通信を「スマホがあるから大丈夫」で考えると、実際の災害では詰まりやすいです。
理由は単純で、停電が起きると充電が減り、基地局や回線の混雑も起こりやすく、1台に連絡・情報収集・ライト・地図を全部任せる形になるからです。
結論から言うと、停電時の通信はスマホ一本化だと危険です。
特に家庭や事業所では、固定電話を完全に捨てる前に「その固定電話は停電時に本当に使えるのか」まで確認しておく方が助かります。
■① 危ないのは「固定電話がある=停電でも使える」と思うことです
ここが一番の落とし穴です。
今の家庭や職場で使われている「固定電話」は、昔ながらの加入電話とは限りません。
実際には、
- メタル回線の加入電話
- ひかり電話
- 光回線電話
- ホームルーター系の電話
などが混在しています。
この違いを分からないまま「うちは固定電話があるから安心」と考えると危険です。
停電時に使える固定電話と、停電すると止まる固定電話は別物です。
■② ひかり電話は停電時に使えないので要注意です
NTT東日本は、ひかり電話は停電時、緊急通報を含む通話ができないと案内しています。
NTT西日本の光回線電話でも、停電時は利用できないと明記されています。
つまり、今よくある「光回線の固定電話」は、見た目は固定電話でも、停電時には止まる前提で考えた方が安全です。
ここを知らないまま災害を迎えると、
「スマホの電池も少ない、固定電話も死んでいる」という形で一気に詰まります。
■③ 判断基準は「停電しても発信できる回線か」です
残すべきかどうかの判断はシンプルです。
その固定電話は、停電しても発信できるか。
ここを確認してください。
- ひかり電話か
- 光回線電話か
- ルーターやONUの電源が必要か
- UPSが無いと使えないか
- 加入電話なのか
この確認をしていないなら、通信備えとしてはまだ弱いです。
固定電話を残すかどうかの前に、固定電話の中身を確認するのが先です。
■④ 本当に強いのは「通信手段を分ける」ことです
停電時の通信で強いのは、1つの手段に賭けないことです。
例えば、
- スマホ
- モバイルバッテリー
- 固定電話
- ラジオ
- SMS
のように役割を分けると、かなり強くなります。
総務省も災害時は音声通話がつながりにくい場合があり、安否確認には災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板、SMSなどの活用を案内しています。
つまり、災害時は「電話一本で連絡する」より、複線化した方が現実的です。
■⑤ 固定電話を残すなら「何のために残すか」を決めるべきです
固定電話を残す判断は、感情ではなく用途で決めた方が失敗しにくいです。
例えば、
- 高齢の家族が使いやすい
- 事業所の代表番号として必要
- 停電時の代替回線にしたい
- 通信障害時の補助にしたい
このどれかがあるなら、残す意味はあります。
ただし、ひかり電話を残すだけでは停電対策にならないので、そこは切り分けが必要です。
■⑥ 被災現場では「連絡できない」より「連絡手段を誤認している」方が危ないです
元消防職員としての感覚でも、災害時に危ないのは、通信手段がゼロなことだけではありません。
使えると思っていた物が使えないことの方が、判断を狂わせます。
- 固定電話があると思っていた
- でも停電で死んだ
- スマホで全部やろうとして電池が減る
- 情報確認と家族連絡の両立が崩れる
この流れは本当に起こりやすいです。
だからこそ、平時のうちに「どれが停電時に生きるか」を確認しておくことが重要です。
■⑦ 残すべき固定電話は「停電条件」まで見て決めるべきです
固定電話を残す判断ラインはこうです。
- ひかり電話・光回線電話だけなら、停電対策としては弱い
- UPSまで含めて運用するなら、一定の補強になる
- メタル回線の加入電話なら、停電時の代替手段として価値がある
- それが難しいなら、スマホ+予備電源+SMS前提に寄せる
つまり、「固定電話を残すか」ではなく、
停電時に生きる通信手段を残せているかで判断した方がいいです。
■⑧ 今日やるなら「うちの固定電話の種類確認」が正解です
今日すぐやるなら、ここからで十分です。
- うちの固定電話がひかり電話か確認する
- 停電時に使えるか調べる
- 必要ならUPSを検討する
- スマホ以外の連絡手段を家族で共有する
- SMS・災害用伝言サービスも確認する
これだけでも、停電時の通信備えはかなり前進します。
■まとめ
停電時の通信は、スマホだけだと詰みやすいです。
さらに、固定電話があっても、ひかり電話や光回線電話は停電時に使えないため、「固定電話があるから安心」という考え方も危険です。
被災時に強い備えは、“電話がある備え”ではなく“停電でも連絡手段が残る備え”です。
固定電話を残すなら、その回線が停電時に本当に使えるのかまで確認しておくと安心です。

コメント