【元消防職員が解説】火災時にドアを開けると詰む|正しい行動はこれ

火災時に一番危ないのは、中の様子が分からないままドアを開けることです。
現場感覚で言うと、火が見えていない段階でも、ドアの向こうに煙や熱がたまっていることがあります。
その状態で不用意に開けると、煙が一気に流れ込み、逃げ道まで失いやすいです。

結論から言うと、火災時にドアは「いきなり全開」が一番危険です。
正しい行動は、まず熱と煙を疑い、開ける前に確認し、危なければ開けないことです。

■① 危ないのは「見ないと分からないから開ける」という判断です

火災時に止まりやすい人の共通点はこれです。

  • とりあえず開けてみる
  • 少しだけなら大丈夫と思う
  • 火が見えていないから安全だと思う
  • 煙の流れを考えていない

でも実際は、ドアの向こうに

  • 高温の煙
  • 熱気
  • 逃げ遅れを生む濃煙

があることがあります。

火災では、ドアは確認の道具ではなく、危険を遮っている境界線と考えた方が安全です。

■② 煙は天井からたまるので、開けた瞬間に危険が流れ込みます

東京消防庁は、火災の煙は天井からたまっていき、避難時は低い姿勢で煙の下を逃げると案内しています。
さらに、煙は水平方向で毎秒0.5〜1m、垂直方向では毎秒3〜5mの速さで広がるとされています。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

つまり、ドアの向こうに煙がある状態で無防備に開けると、
高い位置にたまっていた煙が一気にこちら側へ流れ込む
ことがあります。

これで一気に視界を失い、逃げ道まで危なくなるのが本当に怖いところです。

■③ 判断基準は「開ける前に熱と煙を疑うか」です

ドアを開ける前の判断はシンプルです。

まず、ドアの向こうに火災がある前提で疑う。

ここで見たいのは、

  • ドアやドアノブが熱くないか
  • すき間から煙が入っていないか
  • 焦げ臭さが強くないか
  • 開ける必要が本当にあるか

です。

このどれかが強いなら、
安易に開ける方向へ行かない
方が助かります。

■④ 正しい行動は「いきなり全開にしない」ことです

元消防職員として言うと、火災時のドア対応で大事なのは順番です。

  • まず熱と煙を確認する
  • 危険を感じたら開けない
  • 開ける必要があるなら一気に全開にしない
  • すぐ閉められる前提で最小限に動く
  • 危険なら即座に避難方向を変える

火災時は「開けるか、開けないか」だけでなく、
どう開けるかでも生死が分かれます。

■⑤ 危ないのは「確認のために体を前に出す」ことです

これもかなり危険です。

  • 顔を近づける
  • 上半身を先に出す
  • 立ったまま覗く
  • 開けながらその場にとどまる

煙は上にたまりやすいので、
立ったまま顔を近づける動きは危ないです。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

火災時のドア確認は、
見に行く動きではなく
危険を受けない動き
で考えた方がいいです。

■⑥ 現場感覚で一番危ないのは「戻るために開ける」ことです

元消防職員として本当に危ないと感じるのはこれです。

  • 荷物を取りに戻る
  • スマホを取りに戻る
  • 家族を探しに戻る
  • 確認だけして戻るつもりで開ける

火災時は、ドアを開けた瞬間に状況が変わります。
煙が流れ込み、退路が消え、戻れなくなることがあります。

だから、
戻るためのドア開放はかなり危険
です。

■⑦ ドアは「閉めること」に意味がある場面も多いです

火災時は、開けることばかり考えがちです。
でも実際には、ドアを閉めることが助かる場面もあります。

  • 煙の侵入を遅らせる
  • 火の拡大を抑える
  • 避難時間を稼ぐ
  • 一時的な安全空間をつくる

東京消防庁の夜間防火管理マニュアルでも、現場確認は出火場所と状況確認を前提にしていますが、
それは無防備に開けることを意味しません。
火災時は、開放より遮断が有利になる場面が多いです。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

■⑧ 今日やるなら「ドアはまず疑う」と決めるのが正解です

今日すぐやるなら、ここだけで十分です。

  • 火災時はドアの向こうに煙がある前提で考える
  • いきなり全開にしない
  • 熱・煙・においを先に疑う
  • 危険なら開けない
  • 別の避難方向を考える

これだけでも、火災時の判断はかなり変わります。
大事なのは、確認のために開けるより危険を増やさないことです。

■まとめ

火災時にドアを開けると詰むのは、向こう側の煙と熱を甘く見るからです。
東京消防庁が案内するように、煙は天井からたまり、広がる速度も速いため、ドアは不用意に全開にしない方が安全です。 (tfd.metro.tokyo.lg.jp)

正しい行動は、「まず疑う、熱と煙を確認する、危なければ開けない」ことです。
火災時のドアは出口にもなりますが、同時に危険を通す境界線でもあるので、開ける前の判断を軽く見ない方が助かります。

東京消防庁|避難のしかた(煙の特性について)
東京消防庁|旅館・ホテル等における夜間の防火管理体制指導マニュアル

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