遺言というと、「高齢になってから考えるもの」「紙と印鑑が必要で大変」という印象を持つ人が多いです。
ただ結論からいうと、遺言は“まだ先でいい”と後回しにすると危険です。
政府は2026年4月3日、パソコンやスマートフォンで作成できる新たな遺言方式の創設などを盛り込んだ民法改正案を閣議決定しました。法務省の制度見直しでは、従来の自筆証書遺言の負担を軽くしつつ、偽造防止のため、法務局職員の関与や本人確認を組み込む方向が示されています。
■① 最初の結論
遺言は「そのうちやる」で先送りすると危険。 助かるのは、元気なうちに意思を整理して残すことです。
遺言で本当に大事なのは、紙かスマホかではありません。
本人の意思が、家族に分かる形で残っているかです。
■② 何が変わるのか
今回の見直しで大きいのは、
手書きと押印が前提だった遺言に、新しい選択肢が加わることです。
これまでは、自分で作る遺言は全文手書きと押印が原則で、負担が大きいとされてきました。
改正案では、パソコンやスマートフォンでの作成も可能にし、その代わり、
- 法務局職員による本人確認
- 対面またはウェブ会議での関与
- 偽造防止の仕組み
を組み込む方向になっています。
つまり、
遺言を作りやすくしつつ、勝手に作られにくくする
流れです。
■③ 何が危ないのか
ここで危ないのは、次の考え方です。
- スマホで作れるならいつでもいい
- 財産が少ないから遺言は不要
- 家族が分かっているから書かなくていい
- まだ元気だから急がなくていい
実際には、災害でも相続でも、後から一番もめやすいのは
「本人の気持ちは分かっていたはず」
という曖昧さです。
被災地派遣でも感じましたが、家族の混乱は、物が足りない時だけでなく、
意思が見えない時にも大きくなります。
■④ 防災目線で遺言が大事な理由
防災士として言うと、遺言は法律の話である前に、
家族の混乱を減らす備えでもあります。
災害や急病の後は、
- 通帳や不動産の整理
- 医療や介護の判断
- 家族内の役割分担
- 相続の話し合い
が一気に重なります。
この時に、本人の意思が残っていないと、家族はかなり苦しくなります。
だから、遺言は「亡くなった後のため」だけではなく、
残された家族の負担を減らす生活防災でもあります。
■⑤ 今やるべきこと
助かる判断はシンプルです。
制度が変わるのを待つ前に、まず意思を言葉にする。
例えば、
- 誰に何を残したいか
- 家や預金をどう考えているか
- 家族に伝えておきたいことは何か
- どの制度を使うのが自分に合うか
を整理するだけでも前進です。
いきなり完成版を作る必要はありません。
でも、何もないままより、
考え始めている状態の方がずっと強いです。
■⑥ まとめ
今回のテーマで大事なのは、
遺言は“元気なうちに後回し”すると危険。 スマホ対応でも早めに整理すると助かる。
この判断です。
デジタル化で遺言は少し使いやすくなるかもしれません。
でも、本当に大事なのは、制度の新しさではなく、
本人の意思を家族に残すことです。
だからこそ、
まだ元気な今のうちに、少しずつでも整理しておく。
それが一番現実的で優しい備えだと思います。

コメント