【元消防職員・防災士が解説】防災×ペット③|避難所では“犬・猫で必要な準備が全く違う”理由

ペット防災というと「犬も猫も同じ準備でOK」と思われがちだが、
災害現場では 犬と猫では必要な対応が大きく異なる
それを知らないまま避難すると、ペットのストレスや脱走リスクが一気に高まる。

ここでは、犬と猫それぞれに必要な“災害時のリアルな準備”をまとめる。


■① 犬は「行動管理」、猫は「環境管理」が命を守る

災害時の犬と猫の違いはここに集約される。

犬 → 行動(吠える・動く・興奮・接触) の管理が中心
猫 → 環境(匂い・音・空間・閉塞感) の管理が中心

この違いを理解していないと、避難所でのトラブルや脱走につながる。


■② 犬に必要な災害対策

犬は“行動をコントロールできる準備”が必須。

① 伸びないリード(固定式)

避難所でロングリードは危険。
● 住民と絡む
● 他の犬と接触
● 転倒事故

このような事故が頻発する。

② 口輪(緊急時の安全確保)

普段噛まない犬も、
● 大きな音
● 他犬の吠え
● 飼い主の不安
で“パニック噛み”が起きる。

口輪は絶対に持っておくべき。

③ ケージの中で落ち着ける練習

避難所ではケージ滞在が基本。
普段からの「ハウス練習」が命を守る。

④ 夜の散歩ルールを事前に理解

避難所では夜間散歩が制限される場合がある。
排泄場所の確保とスケジュール調整が必要。


■③ 猫に必要な災害対策

猫はとにかく 逃げる・隠れる・騒音に弱い
行動より「環境づくり」で命が守られる。

① 脱走防止が最重要

猫の脱走は避難所で最も多い事故。
● キャリーは必ず“上・横の両方が閉まる”もの
● 開閉は最小限
● ケージ周りに布をかけて視界を遮断

“怖いと思った瞬間に全速力で逃げる”のが猫。

② トイレは“普段と同じ砂”が最強

避難所で猫が排泄しない大きな理由は、
「砂が違うから」。

いつもの砂をジップ袋に分けて持っていくと成功率が上がる。

③ 音・人・匂いから守る“シェルター化”

猫は刺激を嫌うため、
● キャリーを覆う
● 周囲との距離を確保
● なるべく静かな位置に配置
が重要。

④ ストレスで食べなくなる対策

猫は環境変化で“食べない・飲まない”が起きやすい。
● ウェットフード
● 匂いの強いお気に入り
● シリンジ(最終手段)

食べられない=体力を失うため、早めの対処が必要。


■④ 避難所で犬・猫が共存するために必要なこと

多くのトラブルは、以下の対策でほぼ防げる。

● 犬猫の区画を分ける
● “接触NG”を徹底
● 互いの匂いが混ざらないよう配置
● 飼い主同士でルール作り
● 子どもがむやみに触らないよう説明

避難所は臨時の共同生活の場。
「全員が快適」は難しいが、
“全員が安心できる環境”は作れる。


■まとめ|犬と猫では“守り方が違う”。だからこそ準備が必要。

犬は「行動管理」。
猫は「環境管理」。
この違いを理解することで、避難の成功率は大きく上がる。

● 犬:リード固定・口輪・ケージ慣れ
● 猫:脱走防止・砂の確保・環境シェルター化
● 共通:フード・排泄・静かな空間づくり

大切なのは「ペットを人として扱うこと」ではなく
「ペットが安心できる環境を整えること」。

防災は、動物にとっても“命を守るための準備”。
今日から1つずつ整えていけば、必ず守れる。

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