【元消防職員・防災士が解説】東京で“観光中”に災害が起きたらどう動く?|旅行者が必ず知っておくべき安全行動

東京は国内外からの観光客が多く、
地震・火災・停電が発生すると、旅行者が最も困りやすい。
「土地勘がない」「家族と離れている」「宿泊先に戻れない」――
こうした状況の中で、正しい判断が生死を左右する。

ここでは、観光中に災害が起きた場合の“最適行動”をまとめる。


■① 観光スポットは“人が密集する危険地帯”

浅草・渋谷・新宿・お台場など、
観光地はどこも人が多く、狭い場所も多い。

地震発生時に起きるリスクは次の通り。

● 転倒・将棋倒し
● ガラス落下
● 看板・照明の落下
● エスカレーター停止
● エレベーター停止で閉じ込め

【行動のポイント】
● 揺れたら“しゃがんで頭を守る”が最優先
● 建物沿いに立たない
● 落下物の少ない広い場所へ移動

「走らない・押さない」がもっとも命を守る。


■② スマホに“圏外”が増える|通信障害への備えが必須

大規模災害では、
電話・通信が同時に混み合い、つながらなくなる。

観光客はホテルとも家族とも連絡が取れなくなるため、
事前準備が非常に重要。

【最低限やっておくこと】

● ホテルの住所・電話番号をスクショ
● オフライン地図アプリを準備
● モバイルバッテリーを常に満充電
● 外国人は「災害時多言語情報サイト」をブックマーク

通信が止まっても“手元の情報で動ける”ことが最強の防災。


■③ 観光地では“ホテルに戻れない”可能性が高い

首都直下地震が起きた場合、
東京は帰宅困難者が溢れ、交通は麻痺する。

● 電車・地下鉄が停止
● バス渋滞でほぼ動かない
● タクシーは一瞬で捕まらなくなる
● 徒歩では数時間〜半日かかる

【正解】
● ホテルに無理に戻らない
● 近くの“安全な一時待機場所”に向かう
● 公園・大学・大型施設の外周が安全

観光客こそ、“とどまる選択”が命を守る。


■④ ディズニー・スカイツリー・東京タワーなどの大規模施設は“館内待機”が基本

観光地の大規模施設は、
災害時の対応マニュアルが最も整っている。

● 施設内アナウンスが正しい
● 誘導員が多数いる
● 安全確保の設備が多い
● 外よりも落下物が少ない

【行動】
● 自己判断で外へ出ない
● 職員の指示に従う
● エレベーターは使わない

“施設に守ってもらう”ほうが安全性が高い。


■⑤ 災害時は“英語・中国語・韓国語”での情報提供も整備

東京は多言語への対応が進んでおり、
大規模災害発生時は以下のようなサービスが動く。

● 東京都防災アプリの多言語情報
● 観光案内所での避難情報
● 外国人向け災害ポータル
● 駅構内の英語放送

日本語に自信のない旅行者でも、
落ち着いて情報を取れる体制が整っている。


■⑥ 必ず覚えておくべき“旅行者向け行動ルール”

観光中の災害は、普段以上に冷静さが必要。

【覚えておくべき行動】

● 無理に宿泊先へ戻らない
● 近くの大型施設で待機
● 駅に向かわない
● 落下物の少ない場所へ移動
● エレベーターに乗らない
● ホテルに「連絡できなくても心配しないで」と事前に伝える

観光中の「とりあえず動く」は最も危険。


■⑦ 観光客が災害に遭った時に役立つ“持ち歩き防災アイテム”

常に持ち歩けるアイテムで、
生存率は驚くほど変わる。

● モバイルバッテリー
● 携帯用ライト
● 行動食(チョコ・飴)
● 小さな水(330ml)
● 絆創膏・ポケットティッシュ
● ホテル名入りのメモ

観光客は荷物が少ない分、
“軽く持てるもの”が防災力になる。


■まとめ|観光中の災害は“とどまる・慌てない・情報を確保する”が生存率を決める

観光客は土地勘がなく、戻る場所も限定されている。
だからこそ、

● 無理に動かない
● 安全な場所で待機
● スマホの電池を守る
● 大規模施設を頼る

この4つが命を守る最強の行動になる。

東京を安全に楽しむためにも、
“旅行者の防災”をひとつだけ覚えておくなら──

災害時は「動かず、まず待機」が正解。

これだけで生存率は大きく変わる。

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