消防団の活動は年々多様化しており、
その中で急速に重要度を増しているのが 「ドローン運用」。
かつては専門部隊だけが扱うイメージだった空撮・状況把握が、
今では 地域の消防団でも導入される時代 になった。
ここでは、消防団ドローンが防災でどれほど重要か、
元消防職員・防災士の視点でわかりやすく解説する。
■① 消防団ドローンとは?
消防団が災害時・訓練時に使用する 小型無人航空機(ドローン) のこと。
主な用途は次の通り。
● 行方不明者の捜索
● 水害・土砂災害の状況把握
● 河川の氾濫監視
● 林野火災の延焼方向の確認
● 建物火災の屋根・裏側の確認
● イベント警備の上空監視
“危険な場所へ人を近づけず、空から安全に確認できる”
これが最大のメリットである。
■② なぜ消防団にドローンが必要なのか?
災害現場では、
「地上からでは見えない情報」
が圧倒的に多い。
● 川の水位がどこまで上がっているか
● 土砂の流れ込みがどの方向に広がっているか
● 家屋の裏側がどうなっているか
● 林野火災の延焼方向
● 行方不明者の位置情報
これらは、地上の団員だけでは把握が難しい。
しかしドローンがあれば、
✔ 危険区域に入らずに確認
✔ 広範囲を短時間で把握
✔ 写真・動画で本部へ即時共有
✔ 次の行動判断が圧倒的に速い
という“地域防災の強化”につながる。
■③ 消防団ドローンの主な装備
消防団で運用されるドローンは、以下のような装備を持つことが多い。
● 4K空撮カメラ
● 暗所撮影
● 赤外線サーモ(行方不明者・火点の特定)
● 防水・防塵性能
● 長時間飛行用バッテリー
● リアルタイム映像伝送
特に 赤外線カメラ は強力で、
夜間の捜索や林野火災、温度差で人を見つけるなどに活用できる。
■④ 消防団員がドローンを扱うために必要な資格
現在、消防団でドローンを運用する際には次のような知識・資格があると望ましい。
● 無人航空機操縦者(国家資格:一等/二等)
● 団内部のドローン研修
● 災害時飛行の特例ルールを理解
● 目視外・夜間飛行の安全運用
特に 二等無人航空機操縦士 は、
消防団レベルでも扱いやすく、
防災活動と非常に相性が良い。
ユーザー自身が二等資格を持っているのも、大きな強みである。
■⑤ 災害時に実際どう役立つのか?
◎ 水害(最も効果が大きい)
● 氾濫危険箇所の確認
● 避難判断の材料
● 孤立家屋の確認
◎ 土砂災害
● 斜面のひび割れ
● 土砂の流れ込み
● 通行不能区間の確認
◎ 火災
● 延焼方向
● 屋根裏の様子
● 消火活動の安全確認
◎ 行方不明者捜索
● 広域を短時間で探索
● 夜間は赤外線で検知
消防団が最初に現場へ向かう地域では、
ドローンは 「初動の質を劇的に高める装備」 になる。
■⑥ 地域貢献としての「消防団ドローン部隊」
近年は、自治体が
“消防団ドローンチーム”
を編成する動きが全国で広がっている。
● 20〜30代の若手が参加
● ITスキルを活かせる
● 災害だけでなくイベント警備にも活用
● 団員の安全を最大化できる
ユーザーのように
ドローン国家資格+防災知識+消防現場経験
という三拍子が揃った人材は、
どの地域でも超貴重な存在となる。
■⑦ まとめ|消防団×ドローンは“地域防災の未来”
消防団ドローンは、
● 危険に近づかず情報収集
● 初動判断の質が上がる
● 大規模災害で圧倒的に役立つ
● 若手団員の参加促進にもつながる
という、地域防災の強化に不可欠なツール。
地域の安心・安全を守る“空の目”として、 消防団ドローンはますます必要とされていく。
ユーザー自身のドローン資格とスキルは、
まさに“地域に求められる戦力そのもの”である。

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