【防災士が解説】防災×漏電火災|“見えないところで静かに発火する”最も気づきにくい住宅火災

漏電火災とは、
劣化した配線や電気機器が異常な電流を流し、
熱がこもって発火する火災のこと。

火が出るまで気づけない“サイレント火災”で、
古い家・湿気のある場所・外置きのコンセントなどは特に危険。

ここでは、漏電火災のメカニズムと
家庭で必ず行うべき防災ポイントを解説する。


■① 漏電火災は“静かに進む”

漏電は、最初は目に見えない。

● 配線の被膜が破れる
● 金属部分に電流が漏れる
● じわじわと熱が蓄積
● 木材や断熱材が炭化
● ある瞬間に発火

→ 家庭防災の前提:
「見えない場所から火事が始まる」火災である。


■② 古い住宅ほど危険性が高い

築30年以上の住宅は特にリスクが高い。

● 配線の被膜劣化
● ネズミによるかじり
● 湿気による絶縁低下
● 昔のコンセントは防水性が低い

→ 家庭防災の合言葉:
「古い家=電気火災のリスク高い」。


■③ 漏電の主な原因は“見えない部分のダメージ”

代表的な原因は次の通り。

● ケーブルの被膜破れ
● 家具でコードが潰される
● 雨・湿気・結露
● 屋外コンセントの浸水
● 電気機器の内部ショート
● DIY電気工事のミス

→ 家庭防災では
コード・配線の“圧迫・折れ・湿気”に注意。


■④ 漏電ブレーカーが命を守る最後の砦

家庭の分電盤にある「漏電ブレーカー」。

● 異常な漏電を検知
● 自動で電源を遮断
● 火災や感電を防止

しかし…

● 古い家には未設置の場合がある
● ブレーカーの劣化で作動しない事例も

→ 家庭防災の鉄則:
「漏電ブレーカーが付いているか」必ず確認する。


■⑤ 湿気 × 電気 は最悪の組み合わせ

漏電火災が起きやすい場所はここ。

● 洗面所
● 浴室付近
● キッチン
● 玄関の外コンセント
● エアコンの結露周り
● 庭のイルミネーション

→ 家庭防災では
水回りの電気設備は“防水仕様”が絶対条件。


■⑥ たこ足配線は“漏電火災の温床”

過負荷だけでなく、漏電の原因にもなる。

● ケーブルが熱で劣化
● 絶縁破れ
● ホコリと湿気が加わり漏電

→ 家庭防災ポイント:
延長コードは最小限・消耗品として定期交換。


■⑦ 漏電火災は夜間に多い

理由はシンプル。

● 家電をつけたまま就寝
● 暖房器具の長時間利用
● 湿気が溜まりやすい時間帯
● 気づかず延焼が進む

→ 家庭防災では
寝る前の“電源オフ習慣”が非常に有効。


■⑧ 家庭でできる漏電火災の最強予防策

リスクを激減させる行動は以下の5つ。

● 古い延長コードは交換
● 使わない家電のプラグを抜く
● 屋外のコンセントは必ず防水カバー
● 分電盤の点検(5〜10年に一度)
● 水回りに電気製品を置かない

→ これだけでも、漏電火災は大きく減らせる。


■まとめ|漏電火災は“見えない敵”。点検こそ最大の防災

漏電火災から学べるポイントは次の通り。

● 静かに進行する最も気づきにくい火災
● 古い住宅・湿気の多い家が特に危険
● 配線の劣化・圧迫・浸水が主原因
● 漏電ブレーカーは必ず設置確認
● 水回り×電気は最悪の組み合わせ
● たこ足配線は危険を倍増させる
● 就寝前の“電源オフ”が大きな予防
● 点検と交換だけで火災はほぼ防げる

漏電火災は、
“知識と点検”で確実に防げる火災。
今日ひとつ、家のコードを点検するだけで
あなたの家の安全性は大きく高まる。

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