大津波は海沿いだけでなく、
“都市部・マンション・高層ビル”にも大きな影響を与える。
● 海から距離があっても川が逆流
● 高層でもエレベーター停止
● 停電で生活機能が崩壊
● 下水逆流でトイレが使えない
● 浸水で1階が壊滅
ここでは、防災士として
“マンションや都市部で津波を迎える場合の行動”
を徹底解説する。
■① マンションは“高さで助かるが、低層階は危険”
多くの人が誤解しているが、
マンション＝津波に強い、ではない。
正しい理解はこうだ。
● 3階〜4階以上は比較的安全
● 1階・2階は浸水しやすい
● ピロティ構造（1階が柱だけ）は津波に弱い
● 駐車場やエントランスは破壊されやすい
● 外階段が流される可能性もある
つまり、
マンションは“高さ”は安全だが、構造は脆弱な部分がある。
■② エレベーターは絶対に使わない（閉じ込め→水没が最悪のパターン）
津波のとき、最も危険なのはエレベーター。
● 停電
● 地震による自動停止
● 津波の浸水で機械室が故障
● 水没のリスク
閉じ込められたまま津波に遭うと、救助が難しい。
避難時は必ず、
→ 階段で上へ逃げる。
これが最も安全。
■③ 高層マンションほど“水・トイレの問題”が深刻
高層階に避難すれば安全…
と思われがちだが、実はその後の生活が非常に厳しい。
● 上水道ストップ
● 下水ポンプ停止
● トイレが流れない
● エレベーター停止で階段地獄
● ゴミ出しが困難
● 通信不安定
特に トイレ問題が最も深刻 で、
実際の災害でも“上階自主避難組”が一番苦しむ。
だからこそ、
「簡易トイレの備蓄」はマンション住民の必須装備。
■④ 津波は“川を遡上する”。都市部でも油断できない
海沿いのマンションはもちろん、
都市部でも以下は要注意。
● 大きな川沿いの低地
● 埋立地
● 湾岸のショッピングモール周辺
● 護岸の低いエリア
● 地下鉄駅・地下街の近く
津波の怖さは、
“海の近くかどうか”ではない。
川沿いかどうか。 標高が低いかどうか。 地下空間が近いかどうか。
ここで生死が分かれる。
■⑤ マンション住民の津波避難の基本は「垂直避難」
津波時は水平移動（横移動）より、
垂直避難（上へ逃げる）が圧倒的に安全。
正しい順番はこれ。
●① 最寄りの階段へ直行
非常階段が最優先。
●② 3階以上へ避難
可能なら5階以上が安心。
●③ 屋上が開放されているなら屋上へ
鍵が必要なら事前に管理会社へ確認。
●④ 外に出ない
外は漂流物・車・流木で一瞬で危険地帯になる。
“外へ逃げる”は最悪の選択、
“上へ逃げる”が最強。
■⑥ 駐車場にいる時の津波は“最も危険”
マンションの立体駐車場・地下駐車場は、
津波災害では死亡リスクが極めて高い。
● 地下部分はすぐ浸水
● 扉が開かなくなる
● 車ごと水没
● 流れてくる車で圧死
駐車場にいる時に津波警報が出たら、
→ 車を放置して、階段で上階へ逃げる。
これ一択。
■⑦ マンション住民が必ず準備すべき防災アイテム
津波後、マンション避難は“孤立避難”に近い状態になる。
だからこそ、以下の備蓄が必須。
● 水 7〜10日分
● 簡易トイレ（1人あたり50〜100回分）
● ポリ袋・ゴミ袋
● 懐中電灯・ヘッドライト
● ポータブル電源
● カセットコンロ
● 食料（温めず食べられるもの）
● スマホのバッテリー
● 給水車用の折りたたみポリタンク
高層階ほど“降りるのが困難”なので、
在宅避難が基本になることを忘れずに。
■⑧ マンションの“津波避難ルール”を事前に家族で決める
津波は夜中に起きる可能性が高い。
家族の動きがバラバラになると危険。
家族で共有すべきは3つ。
●① 津波時に使う階段はどれか？
非常階段A？B？
夜でも行ける？
●② どの階以上に避難するか？
最低ラインを決める。
●③ 電話が繋がらない前提で再会場所
例：マンション5階の共用廊下など。
■まとめ｜マンションは“上は安全・下は危険”。避難と生活の準備が命を守る
この記事のポイント。
● 高層階は安全だが1〜2階は危険
● エレベーターは絶対に使わない
● トイレ・水の問題が最も深刻
● 都市部でも川沿いは津波に襲われる
● マンションは“垂直避難”が基本
● 駐車場は極めて危険
● 備蓄は7〜10日分が必須
結論：
マンションで津波に遭っても“上へ逃げる＋在宅避難の備え”で確実に助かる確率は上がる。
都市部でも油断せず、
家族全員が避難ルートと行動パターンを覚えておくことが、
大津波に勝つための最大の武器になる。
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