地震速報(緊急地震速報)は、
“地震が来る前に揺れを知らせる”唯一の仕組み。
猶予は短く、
● 数秒
● 長くても数十秒
しかし、この数秒で 命が助かるかどうかが変わる。
ここでは、防災士として
“地震速報を最大限に活かす行動”をわかりやすく解説する。
■① 地震速報が鳴ったら“行動は1つだけ”──伏せる・守る・動かない
地震速報の最重要原則は、
揺れる前に動かず、姿勢を低くして身を守ること。
● 机の下に入る
● 頭を守る
● ガラスから離れる
● 家具から離れる
● 座り込み・しゃがみ込み
走る・移動する・階段を駆け下りるのは危険。
“その場で守る”ことが生存率を上げる。
■② 家庭で必須なのは“地震速報が聞こえる環境づくり”
意外と多いのが、
「スマホの地震速報が鳴らない/聞こえない」
という家庭。
やるべき設定は3つ。
● スマホの“緊急速報”をON
● マナーモード中でも鳴る設定
● 夜間でも聞こえる置き場所にする
特に寝室のスマホ位置は重要。
枕元か、手を伸ばして届く場所に固定する。
■③ 子どもには“地震速報が鳴ったら動かない”を徹底する
子どもは地震速報を聞くと、
● パニックで走る
● 親を探しに行く
● 外へ走り出す
など危険行動をしやすい。
家庭でのルールは1つ。
「速報が鳴ったら、その場で止まる」 「頭を守る」
これだけで良い。
親がいない時でも安全行動ができるように、
月1回の“家庭防災ドリル”が効果的。
■④ 高齢者ほど“即座の行動”が難しいため、環境整備が重要
高齢者は、
● 緊急音に気づきにくい
● すぐ動けない
● 振り返るのに時間がかかる
という特徴がある。
対策は、
● 寝室にラジオ/地震速報機能つき時計
● スマホの音量MAX
● 家具の固定
● 就寝中の枕元にヘルメット・スリッパ
“速く避難できない人ほど、環境で守る”ことが大切。
■⑤ 速報後の“最初の10秒”で怪我リスクが最も高い
地震は最初の揺れが突然来る。
速報から揺れまでの10秒で事故が多い原因は、
● 走り出す
● 階段を使う
● 外へ出る
● 家具の近くにいる
だからこそ、
速報 → しゃがむ → 頭を守る
この流れを習慣にしておく。
■⑥ 夜間の速報は“枕元の装備”で生存率が跳ね上がる
夜が最も危険。
● 足元が見えない
● ガラス破片で怪我
● 家具転倒に巻き込まれる
夜の準備はこれだけでよい。
● スリッパ
● 懐中電灯
● スマホ
● ヘルメット or 防災ずきん
これらを枕元に置くだけで、
夜間地震の怪我をほぼ防げる。
■⑦ 地震速報後の“次の行動”が家庭防災の質を決める
揺れが止まったらすぐに以下を確認。
● 家族の安否
● ドアが開くか(避難口確保)
● ガスの安全
● 火の始末
● 家具の倒壊
● ガラス破片の有無
特にドアは“揺れで歪んで開かなくなる”ため、
最優先で確保すべき。
■まとめ|地震速報は“数秒の命綱”。事前準備で効果が100倍になる
この記事のポイント。
● 速報が鳴ったら即・しゃがみ・頭を守る
● スマホ設定は必ずON
● 子どもは“止まる”行動を練習
● 高齢者は環境で守る
● 夜間は枕元セットが最強の対策
● 揺れが止まったらドア確保と火の確認
結論:
防災士・元消防職員として強く伝えます。 地震速報は“数秒の命の時間”。 この数秒をどう生かすかで、生存率は大きく変わります。 準備している家庭こそ、必ず守れる。

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