災害時、最も困るテーマのひとつが 「ペットの安全確保」。
避難所では受け入れ条件が厳しく、
自宅避難でも“ケガ・脱走・ストレス・寒さ”など多くの問題が発生する。
ここでは、防災士として
“災害時にペットを確実に守るための現実的な対策”
を家庭向けに分かりやすく解説する。
■① ペットの避難は“同行避難”が基本。必ず一緒に行動する
災害時、ペットを家に残すのは非常に危険。
● 余震で瓦礫が崩れる
● 火災で煙に巻かれる
● 停電で室温が急低下
● 脱走して迷子
このため防災の原則は 同行避難。
避難所が受け入れ可能かは自治体で異なるため、
“普段から確認しておく”ことが必須。
■② ペット用の“非常持出袋”が必要
ペットは人と同じ荷物を使えないため、専用装備が必要。
● フード(3日分)
● 水(500ml × 数本)
● 折りたたみ皿
● ペットシーツ
● 排泄袋
● 予備のリード・ハーネス
● お気に入りの毛布
● ペットの写真(迷子対策)
● ワクチン証明書・病歴
特に リードの予備 は必須。
災害時は金具が壊れやすい。
■③ キャリーバッグは“避難の命綱”
キャリーは避難中のペットの安全空間。
● しっかり閉まる
● 底が安定している
● 肩がけできる
● 軽くて丈夫
猫や小型犬はキャリー必須。
キャリーの中で落ち着けるよう、
普段から“部屋に置いて慣れさせておく”のが大切。
■④ 冬の災害は“寒さ対策”が生死を分ける
停電や避難所では気温が極端に下がる。
● ペット用毛布
● 使い捨てカイロ(直接当てない)
● 小さめの段ボール(即席ハウス)
特に小動物は低体温に弱いため、
“体温維持が最大の防災”となる。
■⑤ ストレス対策が必要。“普段と違う環境が最大の敵”
避難所は大きな音・匂い・人混みでストレスが強い。
● お気に入りのタオル
● いつもの匂いの毛布
● 噛むおもちゃ
● ケージに布をかけて落ち着かせる
ストレスが原因で、
● 吠える
● 食べない
● 下痢
● 噛む
これらのトラブルが発生しやすいため、
“慣れた環境を持ち込む”ことが命綱。
■⑥ ペットの“脱走・迷子”が災害時に最も多い
揺れ・煙・騒音でパニックになり
脱走するケースが非常に多い。
対策はこれ。
● 首輪に名前・連絡先
● マイクロチップ登録
● 写真をスマホに保存
● SNSで迷子拡散準備
特に 震災直後の脱走 が最多。
■⑦ ペット可の避難所・ホテルを“平時から調べておく”
自治体によってルールが異なる。
● 同室? 別室?
● ケージ必須?
● 吠えが問題になる?
さらに、
“ペット宿泊可能な近隣ホテル”
も候補に入れておくと安心。
■⑧ 介護が必要なペットは“薬・食事・抱っこ移動”の準備
高齢ペットや病気のペットは特に避難が難しい。
● 薬(1週間分)
● 療法食
● 歩行補助具
● 抱っこ紐(小型犬用)
避難が遅れやすいため、
“揺れた瞬間の早期行動” が命を守る。
■まとめ|ペット防災は“準備した分だけ守れる世界”
この記事のポイント。
● ペットの避難は同行避難が基本
● ペット用非常持出袋を作る
● キャリーは“命を守る避難道具”
● 冬は寒さ対策が最重要
● ストレス対策でトラブルを減らす
● 脱走防止と迷子対策は必須
● ペット可の避難先を事前に調べる
結論:
防災士・元消防職員として断言します。 ペットは“家族と同じ命”。 今日たった10分の準備が、大切な命を確実に守ります。

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